美容界で異彩を放つ炭酸ジェルパック~細胞からのアンチエイジングとケア

美容界で異彩を放つ炭酸ジェルパック~細胞からのアンチエイジングとケア
美容の世界で注目されている「炭酸ジェルパック」(depositphotos.com)

 褥創治療への取組みから生まれた「炭酸ジェルパック」が、美容の世界でも異彩を放っている。炭酸美容という新しい分野を切り開き、さらに研究を進めるパイオニア、日置正人医師に話を聞いた。

 「炭酸ジェルパックを褥創の治療などで自分のクリニックで使い始めたころのことでした。私はその日に余ったジェルで塗り心地などを確認するため、自分の肌や傷のある部分に塗っていました。また、比較のために片側の頬だけに2カ月間塗り続けたりもしていました。すると目に見えて塗った側の頬に変化が見られたのです。血色がよくつやつやとして肌の弾力がありキメも整っていたのです。さらに毛穴も目立たなくなっていました。塗らなかった側の頬と違いは歴然としていました」

 驚いた日置医師は、家族や看護師など周囲にいる人間にも炭酸パックを試させた。すると肌が若々しくなったという感想が次々と出てきたという。

 「考えてみれば、褥創の治療効果があるわけですから、健全な皮膚への再生をするこのジェルは美容にも効果があるということだったのでしょう」と日置医師は話す。

なぜ「炭酸」に皮膚再生や細胞活性化の効果があるのか?

 日置医師のクリニックでは、アトピー性皮膚炎の乾燥肌改善、閉塞性動脈硬化症などで引き起こされる下腿潰瘍、慢性の皮膚炎である結節性痒疹などの治療でも、炭酸ジェルの効果があることを経験しているという。

 そもそも皮膚では、常にターンオーバー(組織や細胞の増殖と死滅)が繰り返されている。その構造は、外側から表皮、真皮、皮下組織の3層に分かれており、表皮はさらに角層、顆粒層、有棘(ゆうきょく)層、基底層の4層に分かれている。

 皮膚の基本的な構造について日置医師はこう説明する。

 「基底層で生まれた肌細胞(繊維芽細胞)は新陳代謝にともない、およそ2週間で角質層に達し、さらに2週間ほどで垢となってはがれ落ちます。また、基底層の下にある真皮には血管やリンパ管、神経などが張り巡らされており、表皮に栄養を送ったり老廃物を回収したりする働きを持っているほか、肌のハリを作るコラーゲンやエラスチンなどの弾力組織を構成する繊維芽細胞があります」

 この皮膚に対して、どうして「炭酸」に皮膚再生や細胞活性化の効果があるのか?

 「皮膚のターンオーバーのために、必要となるのが実は酸素なのです。前回お話したように炭酸が身体に入っていくとボーア効果によって、ヘモグロビンが酸素を放出し、細胞が酸素を取り込むことになります。酸素をたくさん受け取った細胞では、ミトコンドリアという器官内でエネルギーをたくさん産生されるため、新陳代謝が高まります」

 そして日置医師は、次のように話を続ける。

 「新陳代謝が高まれば、みずみずしくフレッシュな新しい皮膚への生まれ変わりを促進しますので、しみやしわ、たるみなどが目立たなくなっていくというわけです。同時に炭酸は、真皮層の細胞にも届きますので、十分な酸素が供給されることになります。その結果、線維芽細胞でコラーゲンやエラスチンなどの物質の産生が促され、肌のハリやツヤのアップにつながると考えられます」

「炭酸飲料」と「炭酸浴」の美容効果は?

 今世の中には炭酸を利用したさまざまなヘルスケアがある。痩身や疲労回復などあらゆるアプローチがある。こうしたアプローチはすべて効果があるものなのか? 日置医師に認知度の高い2つのケア、「炭酸飲料」と「炭酸浴」について聞いてみた。

 「かつて『炭酸飲料は体に悪い』と言われたことがありました。これは炭酸飲料に含まれている糖分が体に悪いだけのことです。コーラ、サイダー、炭酸ジュースなどの清涼飲料水に含まれている糖分は飲料の約1割とも言われますから500ccでは50グラムの糖分になります。しかも、さわやかな飲み口なので甘みを感じにくい。大量の糖分を摂取することになってしまいますね」

 と体に悪いのは過剰な「糖分」だという。その上で「最近は甘みの無い炭酸水がだいぶ出回っており、胃・結腸反射が促され、美肌の大敵である慢性の便秘が改善したり、食事と一緒に炭酸水を飲めば食事量の抑制になり、ダイエットの効果があるなどといわれます」と説明する。

 「スポーツの世界を見ると、アスリートたちが試合後に炭酸水を飲む習慣が広がりつつあります。この効果については十分な臨床データがあるとは言えませんが、炭酸水を飲むことによって体内に発生した炭酸ガスが酸素を効率よく呼び込み血流をよくすることで疲労回復につながるからだと考えられます」

 炭酸浴については次のように説明する。

 「昔からその健康増進効果が期待されていたのが、炭酸泉での入浴です。特にヨーロッパなどでは、高血圧や動脈硬化などに対して血流の改善することで症状の改善が期待できるので、冷え性の改善、疲労回復、肩こり腰痛、神経痛などの痛みの緩和などの効果があるとされています」

 そして「ドイツなどでは、温泉に炭酸が溶け込んだ炭酸泉は治療効果がある療養泉として、保険診療が求められているほどです。ちなみに1000ppm以上の炭酸ガスを含むものは、『高濃度炭酸泉』と呼ばれています。安全性を考えると限度がありますが、炭酸泉は炭酸ガスの濃度が高いほど効果が高いと考えられています」と日置医師。

 「肌の美容を考えたとき、基底細胞を元気にすれば、あれこれと対症療法に苦慮しなくても、本来私たちが持っている肌の機能を十分に引きだすことができます。炭酸によって血液中から酸素をどんどん細胞へと供給し、細胞内のミトコンドリアがせっせとエネルギーを作り出すことで、細胞レベルでのアンチエイジングが可能になるのです」
 
 日置医師は炭酸医療から炭酸美容、さらには細胞レベルでのアンチエイジングに取り組もうとしている。
(文=編集部)

日置正人(ひき・まさと)
医療法人紘祥会理事長。日置クリニック院長。1981年、大阪市立大学医学部卒業。88年、大阪市立大学大学院医学研究科卒業。その後、城東中央病院内科部長を経て、93年、日置医院を開設。皮膚科・小児科・内科での診療の傍らアトピー性皮膚炎、円形脱毛症、美容に至るまで幅広い研究活動を展開、一般臨床医の立場から創薬を目指す。
「炭酸パック(CO2ジェル)」の開発者として知られ、美容皮膚、育毛などのアンチエイジングの分野で独自の理論を展開、数々の実績をあげている。著書に『炭酸美容術』(幻冬舎)、『ミトコンドリア不老術』(幻冬舎)、『20分で素肌美人になる』(現代書林)、『日置博士の新育毛理論 「脱毛因子ブロック」で髪はよみがえる!』(現代書林)などがある。

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