新垣結衣と早瀬憩がW主演を務める映画「違国日記」が6月7日に公開された。本作は、「さんかく窓の外側は夜」などでも知られるヤマシタトモコの同名漫画を実写映画化したドラマ

人見知りな小説家の高代槙生(新垣結衣)とその姪・田汲朝(早瀬憩)が互いに理解し合えない思いを抱えながらも、次第にかけがえのない関係性になっていく。

今回は朝役の早瀬と、朝の親友・楢えみり役の小宮山莉渚、朝のクラスメイト・森本千世役の伊礼姫奈の3人にインタビューを行い、作品の魅力やお互いの印象を語ってもらった。

――今回みなさんはオーディションで選ばれたそうですね。映画に出演が決まった時の心境から教えていただけますか。

早瀬「朝役に決まった時は、まずホッとしました。オーディションを重ねていくごとに朝への気持ちが強くなっていって、私が絶対に朝をやるんだと意気込んでいたので、決まった時はひと安心しましたね」

小宮山「すごく嬉しかったです。

えみりはたくさんの悩みを抱えてる子でもあったので、その悩みにしっかり寄り添いたいなと思っていて。えみりを通していろんな感情を伝えていきたいと思いました」

伊礼「実はオーディションでは朝とえみりのシーンをやっていたんです。千世ちゃんの台本は一度もやっていなかったので、森本千世役ですと言われた時に最初はピンと来なかったんですけど、監督からは森本千世に雰囲気が似ていたとおっしゃっていただいて。この作品に携わって同世代の方と一緒にお芝居ができるというのはすごく楽しみでしたし、台本をいただいた時にはすごく好きな役だなと思って、より楽しみになりました」

――本作は槙生と朝の関係性がドキュメンタリー的に描かれていて、リアルな息遣いが感じられる作品だなと感じました。原作や台本を読んでみて、本作のストーリーについてはどのように受け止めましたか?

早瀬「原作を読んだ時も、映画の脚本を見た時も、映画を見終わった時も、共通して心がほっとするような、少し前向きな気持ちにしてくれる温かいお話だなと思いました」

小宮山「よく見てみたら、難しいことで悩んでいたり、深い内容だなと思いますけど、朝のちょっと頑張って前に進もうというポジティブさがなんか不思議と前向きになれますし、普段の悩みを忘れて少し心が軽くなるような作品だなと思いました」

伊礼「映像を見ていなくても絶対に温かい映像になるんだろうなっていうのがすごく伝わる脚本でしたし、それぞれの関係性に様々な色があって、なんかいいなって。簡単な言葉になってしまうんですけど、すごく好きなお話だなと思いました」

早瀬憩、小宮山莉渚、伊礼姫奈がお互いの印象と作品の魅力を語る「優しく寄り添ってくれる映画に」

――最初に役が決まった時の印象や、演じる上で意識されたことを教えてください。

早瀬「朝の印象は素直で明るくて、意外としっかり者。でも常に心の片隅に孤独を抱えている子だなと思いました。槙生ちゃんを始め、いろんな人との出会いや経験を通して徐々に明るく成長していくのは映像を見て分かるように意識したのですが、どれだけ明るく成長していっても、両親が亡くなったという過去は事実としてあるので、両親が亡くなった孤独感は常に忘れないように演じました」

――新垣さんとの共演シーンがたくさんありましたが、新垣さんとは綿密にコミュニケーションを取られたのでしょうか?

早瀬「お芝居の相談はいっぱいさせていただきました。結衣さんにここがちょっとしっくり来てないんですという相談をすると、自分のことのように親身になって、時間をかけて一緒に考えてくださるので、すごく助かりましたし、ありがたかったです」

――学びも多い現場だったんですね。

早瀬「そうですね。もちろんお芝居への向き合い方もそうですし、現場での過ごし方や俳優としてのあり方など、いろいろ大切なことを教えていただきました」

――小宮山さんはいかがですか?

小宮山「えみりは一人ひとりに真摯に向き合う子だなと思いました。

特に朝は親友でもあり、自分の持ってる悩みを伝えたいと思う大切な存在だったので、その朝との関係性をしっかり自分の中で持ちたいなと思いながら演じていましたね」

――伊礼さん演じる森本千世は朝の同級生で秀才という役どころです。

伊礼「自分が秀才じゃないので、まずそこからちょっとプレッシャーはあって(笑)。でも、秀才だけど、ちゃんと弱い部分もあるし、勝てないことへの苦しさをすごく持ってる子なんです。そういった部分が切ないし愛しいなと思ったので、強い部分と弱い部分のどちらも見えたらいいなと、バランスを考えながら演じました」

――今回が初共演になると思うんですけど、それぞれの第一印象をお聞きしたいです。まずは早瀬さんについてはいかがでしょう?

小宮山「やっぱり犬ですね」

伊礼「うん、犬だね(笑)」

――どんなところで犬だなって思いますか?

小宮山「すごいぴょんぴょんしていて人懐っこいんですよ。でも演技の時は真面目に向き合うし、メリハリがしっかりしてるところが犬っぽいなって。

人に愛されている感じとか」

早瀬「ありがとうございます(笑)」

――この中では早瀬さんが一番年下ですけど、やっぱりお二人からしたら妹みたいな感じ?

伊礼「なんか妹じゃないんですよ。年齢不詳(笑)。年下の可愛さっていうよりは、小動物みたいな可愛さが近いかもしれないです。でもあまり年を気にした記憶がなかったので、今初めて年下なんだって思いました」

小宮山「最初対面の時は年下なんだと思ったけど、その後は年を忘れて接していました。私よりは2つ下なんですけど、すごくしっかりしているなと思います」

――小宮山さんについてはいかがですか?

早瀬「スタイルが良くてモデルって感じで出会った時からキラキラ輝いてました(笑)」

伊礼「そうだね。やっぱりお顔がすごくはっきりしてるから、ガードが固いのかなと思ったら、まったくそうではなくて、むしろウェルカムって感じでした。

色で言うとオレンジ色。すごく話しかけやすいし、話しかけてもくれるし、一緒にいると安心します」

――続いては伊礼さん。

小宮山「同い年だけど、すごく包容力を感じます。役的にもみんなとは群れない役だからこそ、客観的に私たちを見守ってくれている安心感がありました」

早瀬「私は初めて会った時に、『あ、千世ちゃんがいる!』って思いました。すごく凛としていて、自分を持っている。最初から女優さんだって分かるほどオーラがすごかったです」

早瀬憩、小宮山莉渚、伊礼姫奈がお互いの印象と作品の魅力を語る「優しく寄り添ってくれる映画に」

――撮影を重ねていくにつれて、新たな一面は知れましたか?

伊礼「変わらなかったかな。

ずっとワンちゃんだった、オレンジだったし...(笑)」

小宮山「印象が変わるっていうのはあまりなかったかもしれないんですけど、すごいやりやすかったです」

早瀬「莉渚ちゃんは意外とおちゃめだったよ(笑)。クールな感じかなと最初思ったんですけど、意外とお茶目でびっくりしました」

――最初と比べたら仲は深まりました?

早瀬「深まりました!」

小宮山「うん。最初はみんなちょっと警戒してたけど、撮影が終わったらフラットに話せたかなと思います」

――お互いプライベートで会ったりはするんですか?

小宮山「会ってないね。別のオーディションで会うことはあるんですけど、プライベートだとなかなか難しいよね」

早瀬「莉渚ちゃんとは同じ撮影の時にカフェに行ったりはしたんですけど、いつか3人で行きたいね」

伊礼「行きたい!」

――最後に本作の見どころをお願いします。

早瀬「ほんとにたくさんあるんですけど、分かり合えなくても寄り添えることを知ったというメッセージがあるように、苦手だなとか分かり合えないなと思う人でも、ちょっとそばにいたり、一言声をかけたり、そういった寄り添うという行為をするだけで関係性が大きく変わるというのをこの映画が伝えてくれるんじゃないかなと思います。あとは私たちが演じる役も含めて登場人物がそれぞれ悩みを抱えて葛藤しながらも生きているので、学生の方が見ても大人の方が見ても共感できる悩みがあると思うし、優しく寄り添ってくれるような映画になっているので、ぜひ見てください」

取材・文=川崎龍也

映画情報

映画『違国日記』
全国公開中

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