1つはシェイクスピアの戯曲に、歌劇王ヴェルディが忠実に作曲した『オテロ』。このオペラは演奏の難度が高く、指揮者と一体になれる高水準のオーケストラと合唱がなければ成立しない。今回はパッパーノが17年間の集大成として満を持して作品を選定した。

もう1作はフランス・オペラの大作「ファウスト」。あまりにも作品の規模が大きいため、全曲上演は日本でもこれまでほとんど例がなく、特に英国ロイヤル・オペラのような世界有数の歌劇場が日本で上演するのは今回が初めて。まさに“幻のオペラ”ともいうべき作品である。カットされることも多いバレエの場面も含めての舞台は要注目だ。

■英国ロイヤル・オペラ2019年日本公演
「オテロ」 指揮:アントニオ・パッパーノ 演出:キース・ウォーナー
9月14日(土)15:00 神奈川県民ホール
9月16日(月・祝)15:00 神奈川県民ホール
9月21日(土)16:30 東京文化会館
9月23日(月・祝)16:30 東京文化会館

「ファウスト」 指揮:アントニオ・パッパーノ 演出:デイヴィッド・マクヴィガー
9月12日(木)18:30 東京文化会館
9月15日(日)15:00 東京文化会館
9月18日(水)15:00 東京文化会館
9月22日(日)15:00 神奈川県民ホール

芸術と文化の秋、観る人の心に迫るオペラ公演に足を運んでみよう。
公式ホームページ:https://www.nbs.or.jp/stages/2019/roh/index.html
(MOCA.O)