大阪・天王寺の「あべのハルカス美術館」が、2026年後期の新たな展覧会ラインナップを発表した。
写実の巨匠アンドリュー・ワイエスをはじめ、陶芸家ルーシー・リーの展覧会が新たに加わり、すでに予定されているラインナップとともに、多彩な芸術の季節が続いていく。
都市の空に広がる、美のリレーがここから静かに始まる。
境界を見つめるまなざし──アンドリュー・ワイエス展
2026年10月3日(土)からは、アメリカを代表する画家アンドリュー・ワイエスの大規模巡回展を開催。窓や扉といった「境界」を象徴的に描き、内と外、生と死、自己と他者を静謐な筆致でつなぐ。
リアリズムに宿る深い精神性は、分断の時代を生きる私たちに静かな希望をもたらすだろう。日本では17年ぶりとなる大規模展として、注目を集めそうだ。
また、2026年12月からは陶芸家ルーシー・リーの展覧会「東西をつなぐ優美のうつわ」も開催予定。ウィーンからロンドンへ渡った彼女の造形美が、あべのの空間を彩る。
500点超の原稿でたどる、『ブラック・ジャック』の世界
現在開催中の「手塚治虫 ブラック・ジャック展」(~2025年12月14日(日))は、原稿500点以上を展示する史上最大規模の展覧会。連載当時の雑誌や単行本の資料も多数並び、手塚治虫が命をテーマに描いた傑作を余すことなく紹介する。
掲載元:あべのハルカス美術館(ⓒTezuka Productions)
直筆原稿に刻まれた筆致の熱量と、人間の生死を見つめる眼差し──“命の物語”を体感できる展覧会だ。
“人とのつながり”でひもとく、小村雪岱の美
続く12月27日(土)からは、「密やかな美 小村雪岱のすべて」を開催。日本画や装幀、舞台美術まで幅広く手がけた雪岱の画業を、文学者や画家との交流のなかで再考する。
掲載元:あべのハルカス美術館(【前期展示】《春告鳥》昭和7(1932)年 絹本着色 個人蔵(埼玉県立近代美術館寄託))
泉鏡花をはじめとする作家との協働を通して生まれた端正な美意識。大正から昭和初期の文化とともに、雪岱が築いた“情緒と品格の日本美”に出会える展覧会となっている。
都市の空に広がる、芸術の時間へ
2026年前期は、「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」や「ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち」など、世界的コレクションの来日も控える。
あべのハルカス美術館は、国内外の名作を通じて“時を超えて芸術をつなぐ場”として、これからも訪れる人々を魅了し続けるだろう。
あべのハルカス美術館
所在地:大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階
アクセス:近鉄「大阪阿部野橋」駅、JR・Osaka Metro「天王寺」駅 直結
開館時間:火~金 10:00~20:00/月・土日祝 10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
公式サイト:https://www.aham.jp
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000107064.html
(山之内渉)
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