今では、一度離婚した人をバツイチ(×1)という言い方が定着していると思います。
これは、離婚すると戸籍上結婚していた配偶者の所に×がつけられることから、誰かが一度離婚するとバツ1、二度離婚するとバツ1と言ったものだと思います。

そこで、離婚した人の戸籍を取ると配偶者の欄にバツがついているので、離婚したことがわかってしまいます。
しかし、このバツを戸籍から消すことが可能です。しかも、特に、裁判などの手続きは要りません。誰でも簡単にすることができます。
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●バツを戸籍から消す方法
その方法は、転籍という手続になります。
転籍は、転籍届をこれまでの本籍地あるいは新しい本籍地のある役所に提出すれば可能です。
転籍すると、新しい戸籍が作られるため過去の離婚歴などの×が消えることとなります。
もちろん、離婚した事実が消えるわけではありませんし一つ前の戸籍を取れば、×が書かれています。
ただ、戸籍を出さなければならない場合、現在の戸籍だけを出せばよいことが多く生まれてから今までの戸籍を全部出す必要はないでしょうから戸籍を出すときに離婚歴があることがわかってしまって恥ずかしいなどの事情がある方は、転籍されたらよいと思います。

●夫殺害事件の容疑者は転籍していた?
なぜ、今回この転籍のお話をしたかと言えば、夫殺害の容疑で逮捕された容疑者が3度結婚したけれども、3度目の結婚の際には、過去3回の結婚歴、死別歴が戸籍に書かれていなかったと報道されていたからです。
過去の結婚歴を隠すために、転籍していた可能性がありますね。
結婚するときに、過去の結婚歴などどうでもよい方が多いとは思いますが、気になる方は現在の戸籍だけでなく生まれてから現在までの全ての戸籍を見てみるということが必要かもしれませんね。

特に、熟年や高齢になってから結婚する場合は相手にもそれなりの歴史がありますから戸籍を全て見て相手の子供や婚姻歴を理解していた方がよいかもしれません。

*著者:弁護士 高島秀行(高島総合法律事務所。相続・遺産分割問題について詳しいベテラン弁護士。「訴えられたらどうする!!」等の著作もあり。)
高島先生のブログより「離婚しても×が消える?」より許可を得て転載しています。