「やっていない」を証明する難しさ・・・「悪魔の証明」とは何なのか

しかし、裁判では、厳密な立証が求められますので、時に悪魔の証明が問題となるケースがあります。

■痴漢事件ではどうなるのか
本題に戻って、痴漢事件では、まず検察官が被害者証言などにより「痴漢した」という存在の事実を立証するルールになっており、被告人側が「痴漢していない」という事実不存在を立証する必要はありません。
基本的に全ての犯罪要件の立証責任が検察官にあるのは、痴漢事件に限らず刑事事件全般に共通します。
しかし、検察官が、被害者証言などにより、「痴漢した」という事実の証明に一先ず成功したといえる場合には、今度は、被告人側で、「痴漢した」という立証を崩すために、反対立証として、「痴漢していないこと」の立証を試みる必要に迫られます。
これは、あくまで第一義的に検察官が「痴漢した」という立証に成功した後に防御のために、反対立証をするもので、最初から、被告人側に「痴漢していない」ことの不存在の立証責任があるわけではありません。
仮に、最初から、被告人側で「痴漢していない」ことの立証が必要だとすると、まさに悪魔の証明に成功しない限り、有罪にされるという不当な結論となりますが、反対立証としての「痴漢していない」ことの立証方法としては、物理的な状況として痴漢行為をなし得ないことや被害者証言の矛盾・不合理性を追求することが可能です。
言い換えると、「痴漢していない」ことそのものを被告人側で立証することまでは必要でなく、「痴漢した」という検察官側の立証をぐらつかせる程度に崩せれば十分です。

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