「ひき逃げ」になる可能性も…交通事故を「警察に言わないで解決」してはダメな理由

道交法72条では、人身事故・物損事故問わず、交通事故全般について、速やかな警察への報告義務が課されています。
したがって、軽微な事故や当事者双方にケガがなく、話し合いで解決したり、そもそもお互いに賠償請求するつもりがない場合であっても、道交法上は、必ず警察への報告をしなければなりません。
「ひき逃げ」になる可能性も…交通事故を「警察に言わないで解決」してはダメな理由

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

■警察への報告義務を怠ると罰則が
これは、交通事故直後には、お互い怪我がなく、車両損害もたいしたことがないと思って、そのままにしておいても、後日、当事者の一方が予期していなかった後遺症を発症したり、車両の損害が判明した場合に、警察に捜査を求める可能性があり、事後的な現場検証が難しいことと、軽微な事故も含めて警察で把握することで、交通事故の予防政策にも活用する必要があるためです。
また、人身事故の場合には、自動車運転過失致傷罪等に問われる可能性がありますが、当事者の判断だけで、報告がなされないと、適切な治安維持、交通取り締まりも実現できません。
そのため、道交法では、交通事故全般について、報告義務が課されており、交通事故の報告義務に違反した場合は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金となります。

■「ひき逃げ」により刑が加重される
道交法72条では、交通事故時の報告義務とともに、救護義務定めています。
したがって、交通事故を起こした運転者は、負傷者(被害者)の救護をする義務があります。
交通事故を起こしたにもかかわらず、負傷者の救護もせずに、現場から逃亡する(ひき逃げ)行為は、救護義務違反として、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。

■「殺人罪」が適用されるケースも
さらに、交通事故によって被害者に重傷を負わせたにもかかわらず、救護もせずに被害者の身体を匿うなどして救護を困難にし、結果、すぐに救護すれば助かったのに被害者が死亡まで至った場合には、(不作為の)殺人罪が適用されるケースもあるとされています。
交通事故の直後は、気が動転し、会社や家族のことが頭をよぎって逃亡する誘惑にかられるかもしれませんが、ひき逃げや報告義務違反は、さらに悪い結果しかもたらしません。
不幸にも交通事故を起こした場合は、速やかな警察への報告と救護をしましょう。

*この記事は2015年11月に掲載されたものを再編集しています
*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)
【画像】イメージです
*photoman / PIXTA(ピクスタ)
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