
――『Rez』をPS VR用タイトルとして蘇らせた理由をお聞かせください。
水口氏:いろんな人に聞かれるのですが、僕の中ではけっこう自然なことで、今から25年以上前の学生の時からVRを研究していたんです。1990年にセガに入って、アーケードでVRのプロジェクトをいくつか経験しています。当時はテクノロジーとしては早すぎたものでしたが、どうやってVRのゲームを作るかは20年以上前にはやっていたんです。
その後、アーケードゲームで『セガラリー』とか色々なものを作って、家庭用ゲームで『Rez』などを作ったんですが、自分の中では『Rez』を作っているときも「なぜ4:3の狭い画面に押し込めないといけないんだろう」と思いながら作っていたんです。頭の中には無限に広がるような世界があったのに、どうしてもそこに押し込めないといけないという制約があって「いつかVRになったときにはこの制約を取っ払ってやれたらいいのにな」ってずっと思っていたので、そういう意味では、15年ぐらいかけてやっとできたと考えてもおかしくはないものだと自分は思っています。それくらい自分にとっては自然なことだったんです。