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今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
倫理的無法
今週のおひつじ座は、どこまでも子どもっぽいエロティシズムを貫いていこうとするような星回り。
石川淳の『六道遊行』という小説は、千年の時空を超えて現代と奈良時代とを往復するというSF仕立ての物語で、そこには玉丸というスーパー・ベイビーが出てくるのですが、彼の後見人である成り上がりの事業家がおもしろいことを言うのです。
「ばか教師がなにを知ってをるか。こはれたものをあとから継ぐといふ思想がわしには気に入らん。茶碗は割れば消える。ものは消えるといふことを知ればそれでよいではないか。あとの始末は掃除番にまかせておけ。窓ガラスに黄金のボールを投げつけてあそぶのが貴族のあそびだ。窓もボールもどこかに吹つ飛んで、空虚の中に当人がゐる。空虚こそ貴族の立つところぢやよ。」
この小説はいわば男性原理と女性原理の確執を、戯画化された政治史として描いているのですが、作者の「陽根の運動は必ず倫理的に無法でなくてはならない」という子どもっぽい恋愛テーゼは、玉丸の「おれはひとりで行く。おもふままに振舞ふ。たれの世話にもならない。じやまなやつはどけ」というセリフとして結晶化していくのです。あなたもまた、下手に世慣れた振る舞いでお茶を濁すのでなく、むしろ本来の自分らしいやり方に切り替えていきたいところ。