長い陣痛は徐々に感覚が縮まり、子宮口が全開の10cmになってから「うーん」といきみ始め、そこからまずは赤ちゃんの頭が通ります。
これを読んでいる方で出産を経験されたことのない方の多くは、「痛いでしょ、無理でしょ!」と言いたくなると思います。
ここでスムーズに赤ちゃんが出てきてくれたら良いのですが、うまく進まない場合におこなわれるのが“会陰切開”。言葉の響きからなんだかとても恐ろしく感じますよね。
今日はその会陰切開について、予防法と、切開をした場合の対処法についてお伝えします。
(1)会陰マッサージ
会陰切開を防ぐために効果があるとされているのはよく“会陰マッサージ”。筆者も臨月に入ったらやっていました。
最初は硬いのですが、回数を重ねるうちに会陰が柔らかく伸びてきて痛みもなくなりますよ。
「夫にやってもらったほうが逆に痛くなかったよ」という人もいます。
お腹の赤ちゃんに話しかけながら、やってもらうのも良いのかもしれませんね。
(2)膣ピチュ
次に、アーユルヴェーダですすめているのは“膣ピチュ”といって、オイルに浸したコットンを膣内に入れて一晩おくというものです。
この時に使用するオイルは“ひまし油”がおすすめ。筆者は会陰マッサージもこのオイルを使っていました。かなりドロッとした重めのオイルで摩擦も少なく肌にやさしいです。
膣ピチュは、オーガニックコットンにひまし油をたっぷり浸し、タコ糸でぐるぐる縛っておき、糸は長めに残しておきます。膣内に挿入し、残りの糸が外に出ている状態にしておくと、朝起きた時にそれを引っ張って出すことができます。
オイルがショーツにつくので、筆者は布ナプキンをしていましたが、紙ナプキンでも大丈夫です。
■会陰切開の傷にはラベンダーオイルが良い!
筆者は会陰切開をせずに済んだので、会陰の傷はひどくはなかったのですが、切開をした人たちはかなり辛かったという声を聞きます。
切開した周りが赤く腫れたりするようですが、そんな傷には“ラベンダーオイル”が良いと言われています。ラベンダーの精油に含まれるリナロールや酢酸リナリルといった成分には、炎症を鎮める優れた効果があります。
使用方法としては、精油をさといも粉に練りこんでガーゼなどに塗り、会陰にぺたりと貼ってラップで密着させます。
また綿棒などに精油をつけて、傷に直接塗っても治りが早まるようですよ。
最初は何をしていても痛くて触るのも恐ろしいと思うので、産後少し落ち着いてから試すのが良いでしょう。
会陰切開に関する考え方は産院によってもまちまちのようですが、筆者の産院はできるだけ自然に産ませてくれる場所だったので、切開は経験しませんでした。
もし産院選びをこれからする妊婦さんは、産院での会陰切開の割合について最初に先生に聞いておくと良いかもしれませんね。
いずれにしても妊娠中の会陰ケアはしておくと良いと思いますので、ぜひお試しください。
【参考】
※ Olesia Bilkei、beboy / Shutterstock
※ 森田敦子(2016)『自然ぐすり ~植物や食べものの手当てでからだとこころの不調をととのえる~』(ワニブックス)
【著者略歴】
※ Yuno・・・ヨガ・アーユルヴェーダ・おむつなし育児アドバイザーの分野で活動。自身のスタジオWindhillを2015年港区白金台に設立し子連れのママヨガやマタニティヨガは大きな反響を集めています。また2015年に第一子を出産。自然な生活・自然な育児をモットーに、妊婦さんや産後のママのサポートに励んでおります。最近ではカジュアルにオシャレなウエディングができる“古民家ウエディング”の企画を立ち上げました。1泊2日の滞在型で家族の絆を深める場を提供します。