「日本人の察する能力はスゴイ!」と実感した海外での出来事5つ...の画像はこちら >>

”察すること”って、「なんだか難しい」と思ったことはありませんか?

海外移住経験が長い筆者は、日本に住んでいた時に、よくそう感じていました。理由は、いつも人の顔色を見て調和を取ることに、疲れてしまったからです!

だから、海外に住んでみて「察しなくていい海外生活は楽だなぁ」と感じてしまいました。

その反面、周囲で起こった数々の失敗から「あ~やっぱり日本人の察する能力はすごかった!」と、見直すことも出てきたのです。

今回は、そんな失敗談からわかったことについて、筆者の海外での体験からご紹介します!

これまで海外4カ国に住んだ中で、とくに多国籍なシンガポール”察しすぎて消極的になりすぎない限りは、日本人の察する能力は海外でもたいへんな強み”と実感するきっかけとなったエピソードの数々です!

■1:察しあって誤解したこと

家賃が高騰するシンガポールでは、外国人移住者(赤の他人)は同じ住居に住む”フラットシェア”をよくします。

筆者のシェアメイトだったオーストラリア人男性が、頻繁に平日の深夜に大音量の音楽をかけてホームパーティーを開くので、眠れず困ったことがありました。連日睡眠不足になったため、結局その部屋を退去しました。

後日、理由を彼に伝えたら、こんな返事が……。

「えっ! 君がシンガポールに来て間もないから、寂しいだろうと察してやっていたんだ。

友達が増えるかと思って」

常識がない男性なのかと思っていたら、彼の方でも違った想像をしていました。

”外国人も察することがある”ことを発見したとともに、「静かにしてほしい」と言わずに”察してほしい”と消極的に期待していたのは、甘えだったと気づきました。

■2:察しなくてバトルになったこと

こちらも、フラットシェアにまつわる話。ある日、筆者が屋外の洗濯機を夕方18時頃に回していました。するとシェアメイトのロシア人女性が、物凄い剣幕で部屋のドアを叩くのです。

「テレビが聞こえないから、すぐに洗濯をやめなさい!」と命令口調で、洗濯機のスイッチを勝手に止めに行ってしまったのです!

18時頃に家事をするのは、常識の範囲内ですよね。

相手の都合を聞かずに、自分の主張を先に通すことって、日本人同士ならまず状況を察しようとするので、なかなか起こらないことだと思いませんか?

■3:察しないと損をすると思ったこと

シンガポールでの勤務時代に、多国籍の同僚たちが、上司の機嫌を読まないので驚きました。機嫌が悪いときに悪いニュースを聞かされたら、誰でも腹が立ちますよね。なので、同僚たちはよく上司に怒られていました。

空気を読むようアドバイスをしたところ、その後は悪いニュースを伝える前に、筆者が上司の機嫌について「今日はどう?」と聞かれるように……。

■4:察しすぎなくていいと思うこと

フランス人ばかりのグループで会話をした時、彼らが”初対面の相手だからこそ、自分のことを知ってもらいたい”から、積極的に意見を主張することに気づきました。

欧米文化では、場の空気を壊してでも新しい空気を作るのが良しとされるのです。

初対面の人に意見をぶつけるのがわりと苦手な私たち日本人は、欧米人のグループに入ったときに、あまり発言をしないことも。筆者も以前そうだったので、このときは友人を作れずに終わりました……。

控えめにすることは、日本では”空気を読む”謙虚な行動として、ポジティブに捉えられますよね。

でも、海外で友だちが集まる時にその態度だと、空気を読むどころか、空気と化してしまいます。「察して消極的になると、海外では友だちができにくいんだなぁ」と思いました。

■5:察しなくて笑えること

最後に、再びフラットシェアにまつわる話です。

フィリピン人男性と日本人女性のフラットメイトがシャワー室を共同で使っていたところ、ある日、日本人のシャンプーが減っていることに気づきました。

それが実は、フィリピン人の彼が使用していたことが判明!

でも、彼はあっけらかんと「えっ、そんなこと? そこにあったから使ってたよ~!(笑)良かったら僕のも使って!」

謝るとか、そもそも他人に迷惑をかけることを察しないので、ビックリしました。そんな空気を全く読まない彼ですが、なんだか、憎めないと思いませんか?

以上ですが、シリアスな話から笑える話まで、ご紹介しました!

エピソードで取り上げたように、”察して相手が求める行動を取る”って本当に難しいですよね! 一歩間違えると消極的になってしまうし、察し方自体が間違えていることもあります。

子どもの頃から察するスキルを鍛えられる日本人は、海外でも、基本的には人間関係においてやはり有利だと思いました! いや~、”察する”って奥深いと思いませんか!