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出典:https://www.shutterstock.com

筆者が皮膚科で働いていたときに赤ちゃんの皮膚の悩みとして多く診られたのが“乳児湿疹”です。

新生児期の可愛い盛りの赤ちゃんのお肌ですから、湿疹でぼろぼろとしているのを見ると心が痛むというお母さんを多く見受けました。

ここでは、日常生活の中でとっても手軽にできる乳児湿疹のケア方法を筆者の看護師としての経験をもとにご紹介していきます。

【乳児湿疹】可愛いはずの顔がボロボロ…看護師が教える「基本ケア」

乳児湿疹とは「赤ちゃんの頃に見られる湿疹」のこと

乳児湿疹とは“赤ちゃんの頃に見られる湿疹”のことをいいます。

赤ちゃんは生後1カ月まではママからのホルモンの影響で皮脂の量が増えます。そのためこの時期にはよく見られる症状です。これは、生後6か月頃になると徐々に落ち着いてきます。

症状は様々ですが、肌が赤くなる、小さな水ぶくれができる、うろこ状にかさぶたができるなど。

また、乾燥しているタイプやじゅくじゅくと湿っているタイプもあります。

皮脂腺の多い頭や頬、額にできるお子さんが筆者の経験上多かったです。

カワイイ赤ちゃんのために。「乳児湿疹」ケア方法

乳児湿疹に対するケアの方法は、全ての身体の部位で共通しています。これからご紹介する方法を日常生活の中で取り入れてみてはいかがでしょうか。

【乳児湿疹】可愛いはずの顔がボロボロ…看護師が教える「基本ケア」
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●「フワフワの泡」で優しく洗う

乳児湿疹のケアとして最も大切なのが“洗う”ということです。

まず、洗う際には石鹸をたっぷりと泡立ててホイップクリームのようなふわふわの泡を作りましょう。自分で石鹸を泡立てても良いですし、市販のふわふわの泡が出るポンプを利用するのが便利です。

ふわふわの泡ができたら、ガーゼハンカチもしくはお母さんの手で泡をなでるように優しく洗います。

特に四肢のくびれや首のしわの間は汗や汚れが溜りやすいのでしっかりと洗いましょう。

●「顔を洗う時」のポイント

顔は赤ちゃんが嫌がってしまい、洗いにくいところですが、おでこや頬それから後頭部などは乳児湿疹ができやすい部分なのでしっかりと洗いましょう。頭を洗う時は専用のシャンプーを使用しても良いですが、身体と同様の石鹸を使ってもOKです。

洗い終わったらしっかりと流し、タオルで押さえ拭きをします。

この際ゴシゴシとこすってしまうと皮膚にとって刺激となり、乳児湿疹が悪化する可能性があるため、気をつけましょう。

また、赤ちゃんによっては石鹸に含まれる添加物が刺激となって乳児湿疹が悪化するケースもあります。気を付けて洗っているのに悪化しているという場合は、使用している石鹸の成分表をメモして皮膚科を受診すると良いでしょう。

洗うと同じくらい大切!「保湿剤」の塗り方と選び方

”洗う”が終わったら次に大切なのが”保湿”です。

乳児湿疹で皮膚科を受診すると、悪化している場合はステロイド剤などの外用薬が処方されますが、保湿剤を処方する皮膚科が多いようです。

保湿剤は、病院で処方されているものの使用を勧めますが、病院に行く前にケアをしたいという方は市販されているプロペト(白色ワセリン)の使用が良いですよ。

保湿は入浴後5分以内に行うことがオススメです。この時も皮膚をこすらないように皮膚に点在させるように保湿剤を置き、なでるように広げていきましょう。

クリームタイプであれば大人の人差し指の先から第1関節まで、ローションタイプなら1円玉大の大きさで大人の手のひら2枚分の範囲に塗布できるのでぜひ参考にしてみてください。

また、保湿剤は入浴後だけでなく頻回に使用しましょうね。

乳児湿疹「スタイの交換」も非常に重要

首やあごにできる乳児湿疹に影響していると考えられるのが“スタイ”です。

唾液にはもともと消化作用があるため、肌にずっと触れてしまうと肌がかぶれる原因となります。ですので、スタイはなるべくこまめに取り換えるのがベストです。

また、スタイの裏地が赤ちゃんの肌に刺激になっている場合もありますので、素材には気をつけましょう。

日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎の定義・診断基準によると、赤ちゃんで“湿疹が2カ月以上続くものをアトピー性皮膚炎と診断する”としています。

ケアを丁寧に行ってアトピー性皮膚炎を予防し、赤ちゃんの綺麗なお肌をお母さんが作っていきましょう。

【参考・画像】

※ アトピー性皮膚炎Q3 – 公益社団法人日本皮膚科学会

※ 小児皮膚科 – 巣鴨千石皮膚科

※ 小児皮膚科について – 巣鴨さくらなみき皮膚科

※ 小児皮膚科 – 大木皮膚科

※ 唾液について – やお歯科クリニック

※  Vitalinka , Odua Images / Shutterstock