
世の中に出回っているさまざまな品を、通常よりもはるかに安い価格でゲットしたいという心理は誰もが同じだ。こうしたお買い得製品の情報はニュースとしても価値が高く、Twitterなどでも度々目にする。
もっとも、誰もが見られる情報を頼っても、ゲットできるのはあらかじめ大量に製品が準備された「多少はおトク」な製品だけだ。さらにレアかつ割引率が高い「超おトク」な特価品をゲットするには、会員制メルマガやLINEの公式アカウントなど、なるべく間口の狭い情報源に着目するのが大原則だ。
一見すると告知方法としては効率が悪そうなこれらの情報源が、特価セールの告知に多用されるのはなぜだろうか。今回はこうした、特価品の告知をめぐる販売店側およびメーカー側の事情を見ていこう。
●特価品情報が拡散されすぎると販売店やメーカーは困る
会員制メルマガやLINEの公式アカウントなど、「閉じた」告知方法が多用される背景には、特価品の情報があまり広い範囲に拡散するのは、販売店にとってもメーカーにとってもあまり好ましくないという事情がある。
例えばECサイトの場合、Twitterなどを経由してあまりに広い範囲に情報が拡散すると、想定した数量をはるかに上回る注文が殺到し、本来売りたかった一般客に届かなくなる。集客のために行ったはずのセールで上得意の客が怒って離れてしまうとなると、本末転倒だ。ネットならではの広範囲な集客が行えることが、逆にマイナスになってしまうわけだ。