タイムトラベラーの仕業かどうかわかりませんが、江戸時代に成立したといわれる書物のなかで、日本の未来について予言していると注目されている書物があります。
その書物の名前は、「をのこ草紙」。
成立は、1730年代、江戸幕府八代将軍・徳川吉宗の頃といわれ、作者も正式な書物なども存在しないため、「幻の予言書」といわれてきました。同「草紙」には、享保の頃から250年後、つまり1980年頃からの現代日本の様子を見事に言い当てており、とても興味深い内容になっています。
具体的にはロケットや飛行機、クローン技術などの科学技術を示唆する内容のほか、「草紙」にかかれている一文「かくていよいよ衰えぬるそのはてに、地水火風空の大いなる災い起こりて、世の人十が五まで亡び異国の軍さへ攻めくるべし」という部分が、近年の震災や異常気象などに当てはまるということで注目を集めています。
「をのこ草紙」について伝えている史料は少ないため、謎が多い書物ですが、その予言内容について研究・分析していた人物がいます。
彼の名前は「友清歓真」(ともきよよしざね・1888~1952)。神道霊学の研究者にして「神道天行居」の開祖でもあります。
彼の著書『神道古義之巻』(1936年発行)のなかで、彼は、「をのこ草紙」について言及しており、「急角度の方向転換をなさざる限り、人類の努力の大半が無為な、又は有害な行動となって人類そのものに報いられんとしつゝある」ことを伝えるものであると警告しています。
もっとも、友清は「をのこ草紙」の原本を手に入れたのではなく、1930年にある人物より、「をのこ草紙」のことが書かれた雑誌の切り抜きを手に入れたに過ぎなかったとか。
「をのこ草紙」の内容が、本当に予言書だったのかはまだ議論の残すところではあります。もしかしたら、たまたま1980年代以降の社会に当てはまるという軍全の一致、あるいは当てはまるような解釈をされているだけにすぎない可能性も考えられます。
けれども、もしかしたら未来からやってきたタイムトラベラーが、現在の日本人に警告を与えるために折に触れて残した記録と考えられなくもないのです。
トップ画像:書物のイメージです
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