「10月7日、東京地検特捜部は日本大学の理事の男ら2人を背任の疑いで逮捕。逮捕された理事は3年前のアメリカンフットボール部の悪質タックル問題で口封じを諮るような発言をしたとされていました」と森圭介アナが切り出したニュース。
大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は「逮捕された井ノ口忠男容疑者は、田中理事長の側近」と言う。
事件は2019年、日本大学医学部付属病院の建て替え工事を巡り起きた。日大は医学部付属板橋病院建て替え工事の設計・管理業者を選ぶ業務を井ノ口容疑者が取締役を務める子会社「日本大学事業部」に委託した。そこで選ばれたのが都内の設計事務所。特捜部によると、日大は着手金として事務所に7億3000万円を振り込んだが、このうちおよそ2億2000万円がコンサルタント料として、逮捕された医療法人グループの前理事長・籔本雅巳容疑者が設立した都内の会社に支払われた。さらにこの金が、井ノ口容疑者が関わる会社を経由して、井ノ口容疑者本人に2500万円が還流したとみられている。
悪質タックル問題で辞任、去年9月には理事に復帰
井ノ口容疑者は、2018年のアメリカンフットボール部の悪質タックル問題で理事や事業部の役職を辞任したが、去年9月に再び理事に復帰していた。日大の田中英壽理事長に気に入られており、絶大な権力を握っていたという。
スポーツライターの小林信也氏は「アメフト部においては非常に活躍したOBとして尊敬という誰もが知っている存在だった」と語り、大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は「スポーツのマネジメントでかなり成功。タイガーウッズとも親交があった人物」と評した。