かつてアマゾン川は太平洋に注いでいた
この手の本はいかに「へえー、そうなのか」と読者に驚きを与えることが出来るかが勝負だ。世界編で評者がそう思ったのは、「アマゾン川はかつては、太平洋に注いでいた?」という項目だ。今から約2000万年前、中新世の時代、アマゾン川は南米大陸の西側、太平洋に注いでいたという。
当時、アマゾン川の源流は、マナウスを中心とするアマゾン低地で、そこに巨大湖があったそうだ。当時はまだアンデス山脈がなかった。その後、アンデス山脈が隆起し、アマゾン低地の水は行く手を阻まれて、東へ流れるようになった。やがて、アンデス山脈から流れる水が新たな川を開き、古くからあるアマゾン川と結びつき、今の巨大なアマゾン川になった。
ちなみに本書には書かれていないが、北海道の石狩川はかつて太平洋に流れ出ていた。火山の噴火により南下を阻まれ、北の日本海側へ流れるようになった。アマゾン川とは規模は違うが同じ原理だ。こういう知識は何の役にも立たないが、想像するだけで気宇壮大な気分になるからいい。
東京の西側にあるのになぜ東久留米?
日本の各地編になると、かなりトリビアルなネタが多い。「東京の西側にあるのになぜ 東久留米? 東村山? 東大和?」。久留米はすでに福岡県に同名の市があり使えず、当時すでにあった西武池袋線の駅名を使うことにした。東村山は、かつて村山郷と呼ばれる場所にあり、その中でも東部にあることからつけられた。東大和は神奈川県にすでに大和市があったため、東大和とつけられた。