
今日11月25日(2020年)で、作家・三島由紀夫が陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で自衛隊の決起を促す演説をした直後に割腹自殺してから、ちょうど50年になる。それを前に映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」が上映されたり、日本経済新聞が文化面で「三島由紀夫 50年後の問い」という連載をしたり、「NHKスペシャル 三島由紀夫・没後50年」が放送されたりするなど、メディアでは三島の「生と死」を見つめ直す動きがあった。
本書『日本人は豚になる 三島由紀夫の予言』(KKベストセラーズ)は、三島の書いた評論をベースに、保守主義者たる三島が日本の将来をどう考えていたかを分析した本である。
著者の適菜収氏は1975年山梨県生まれ。作家・作詞家。著書に『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫)、『平成を愚民の時代にした30人のバカ』(宝島社)、『国賊論 安倍晋三と仲間たち』(KKベストセラーズ)など多数。舌鋒鋭い批評で注目される書き手である。
「思いを同じくする保守主義者」
三島の死後に生まれた適菜氏は、三島が書いた評論を全集ですべて読み、自分も三島が死んだ年齢に近づくにつれ、「歴史上の偉い人」から「つい最近まで生きていた先輩へ」、「エキセントリックな右翼」から「思いを同じくする保守主義者」とイメージが変わったという。
そうして親近感を感じた三島を以下の構成で描いている。
はじめに わが友 三島由紀夫