人は誰でもウンコをする。生きているなら当たり前のこと、それどころかとても大切なことなのに、どうして誰もウンコの話をしなくなったのだろう。
クラスのみんなに「ウンコいってきまーす!」なんて、恥ずかしくて絶対言えない! そんな子どものために、ちょっと風変わりな先生が、大切なウンコの話をしてくれる。『ウン小話(こばなし) 世界一たのしくてまじめでちょっとクサい授業』(集英社)を覗いてみよう。

今日から待ちに待った新学期。4年2組には新しい先生がやってくるらしい。どんな先生が来るんだろう、ドキドキ。
ガラガラッとすごい音を立てて教室のドアが開いた。入ってきたのはもじゃもじゃ頭の男の先生。着ているTシャツの柄を見て、教室じゅうがざわざわしだす。そこにはにょろ~んとしたイラストと、「nice unko」の文字が。
彼こそ4年2組の担任、宝土大作(たからど・だいさく)先生だ。先生は黒板に大きく名前を書くと、「大」の字に丸をつけて、「これは大便っていう意味だ」なんて言う。大丈夫か、この先生?
おまけに先生はこんな言葉を黒板に書いた。
クラスのもくひょう
ウンコを知る、おもしろがる、考える
教室はさらに大騒ぎ。このクラスはどうなっちゃうんだ! すると先生はこんな話を始めた。
ふざけてるのかって思ったひともいるよな。でも、このテーマをみんなと大まじめに、しんけんに、とことん考えてみたいんだ。だって、ウンコしないひとなんていないだろ。人間だけじゃないぞ。虫も鳥も、けものも魚も植物も、生きているものはみーんなウンコをしているんだ。生きることは食べること、ってよく言われるけど、生きることは食べてウンコすることなんだって、オレは考えている。