合意によって時効の完成を止められる!~時効の更新と完成猶予~(第3回)

合意によって時効の完成を止められる!~時効の更新と完成猶予~(第3回)

西村あさひ法律事務所 髙木 弘明

第3回は、消滅時効に関する改正のうち、時効の更新と完成猶予について解説します。

メロン代金の支払いは、いつ時効になるの?

設 例

Aさんは、20XX年6月、お中元用として、近所のBさんが経営する果物屋さんでメロンを5個買いました。その際、Bさんは「後で請求書を送るね」として、その場では代金を支払いませんでした。その後、Bさんはメロンの代金のことを忘れてしまったのか、Aさんに対して何の連絡もしないまま4年10か月が経ってしまいました。4年10か月後、当時の手帳をふと見たBさんはようやくメロンの代金のことを思い出し、別の街に引っ越していたAさんへ連絡しました。Aさんはメロンの代金のことなどすっかり忘れていましたが、Bさんに対して、「3か月後に、Bさんの街に行くので、その際に直接会ってこの件について話し合いましょう」というメールを送りました。BさんはAさんに対して「了解しました。」と返信しました。AさんがBさんと話し合いをする際、Aさんは「Bさんに対してメロンの代金を支払う義務(債務)は、時効により消滅した」と主張することができるのでしょうか。
1.時効の更新と完成猶予

現行の民法では、時効の完成を防ぐものとして、「中断」と「停止」の規律を設けています(民法147条から161条まで)。時効の中断は、ある事由が生じた時に時効の進行が止まると同時に、その時から新たに時効の進行が始まること、時効の停止は、ある事由が生じた時から6か月経過する時までは時効が完成しないことをいいます。

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