日本は超少子高齢化の道を歩み、2040年には3人に1人が60歳以上になると言われています。このまま会社員をやっていても、先が見えにくいと考えている人も少なくありません。

私たちは、いま何を考えて、何をすべきなのでしょうか――。

今回は、収入を最大化するための「働き方」「勉強法」をテーマにした一冊です。

「億を稼ぐ勉強法」(小林正弥著)クロスメディア・パブリッシング
「嫌な自分」とサヨナラする方法

人には多くの顔があります。きちんとした自分もいれば、だらしない自分もいます。そのなかでも、嫌な自分と決別するにはどうしたらいいのでしょうか。小林さんは、嫌いな自分の葬式をあげることで、エンジンがかかるようになると解説します。

「僕は、過去に『太った自分』『お金を稼げない自分』『仕事に振り回されて他人の人生に生きている自分』『人間関係をうまく築けず孤独な自分』とおさらばするために、嫌いな自分の葬式を挙げました。嫌いな自分を書き出して燃やします。灰になって消えていく時に、嫌いな自分が抜けていくのを感じます」

小林さんは、そんな体験を明かします。

「なかなか変われない人は、湿っています。『なんかこの人、湿っているな』って感じる人はいませんか? なかなか火がつかない人です。湿っているから、相当な火力を継続的に浴びせない限り燃えることはありません。
『もう嫌だ』と本気で思ったら、嫌いな自分の葬式を挙げましょう。きっとパワフルな部分が顔を出すはずです」

と。

小林さんは、パワフルの意味を「本気」になることだと言いいます。人によってエンジンのかかり具合には差があることは仕方ありません。しかし、エンジンがかからないことには仕事はできません。

世の中には、多彩な「仕事術」が花盛りですが、必死に本を読んでもエンジンがかからなければ何も変わらないのです。

自分の人生をどのように生きるかを考える

次に、エンジンがかかったら、仕事の質を高めなければいけません。いまは、仕事のライフサイクルがどんどん短くなっています。標準化された仕事はAI(人工知能)やロボット、アウトソーシングに置きかわっています。確実に言えることは、企業の寿命、商品の寿命はどんどん短くなっているということです。

これは、スマートフォンやパソコンを例にするとわかりやすいでしょう。あなたはどれくらいの頻度で買い替えるでしょうか。

2~3年で買い替える人が多いかと思います。それと同様で、あなたの仕事が成立するのは、あと数年かもしれないのです。

今後の変化を予測して、仕事を俯瞰する作業が必要ともいえるでしょう。

「国民生活に関する世論調査」(2018年、内閣府)によると、「政府はどのようなことに力を入れるべきだと思うか」という質問に対して、「社会保障の整備」「高齢社会対策」「景気対策」を求める声が、多くありました。これは、各種メディアが実施する世論調査でも同じです。理由は、景気回復を実感している国民が少ないことに帰結します。

この20年で、欧米の給料は平均で2倍になりました。ところが、日本では20年前の水準を下回っています。これでは、景気を実感できるわけがありません。

デフレでモノが安いから、どうにか生活はしていけます。さらに厳しい政策を打ち出す政治家よりも、曖昧な政治家が選ばれるという現実。国民にも危機感がありません。

人生はそんなに長くありません。その他大勢の中に埋もれては真価を発揮できないでしょう。自分の人生は自分で決めていかなければいけません。

ちょっと勇気を出して、自分の行動を振り返ってみてはいかがでしょうか。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所研究員。
代議士秘書、大手コンサルティングファームで、経営・事業開発支援、組織人事問題に関する業務に従事。IT系上場企業などの役員を経て現職。現在は障害者支援団体のアスカ王国(橋本久美子会長/故・橋本龍太郎元首相夫人)を運営。NHK、民放各社のテレビ出演、協力、経済誌などの掲載多数。著書は多く、近著に「波風を立てない仕事のルール」(きずな出版)がある。
経営学修士、経済学修士。東京都出身。
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