仮想通貨市場は大きな変動もなく、学生トレーダーの取引ぶりも落ち着いている。期末試験に突入、あるいは近づいていることもある。

そうしたなか、明治大学のITは冷静に市場を分析。次の取引のタイミングに備える。慶応義塾大学の馬医金満も「待ち」の態勢を維持。ビットコインを買っている専修大学のゆうは、「利益確定売りを出さずに眠ってしまった」ことでチャンスを逃す。

どうなってんだ!?「三角持ち合い」(明治大学)

今週(7月13日週)のチャートは、7月16日に大きな下落があったこと以外、特に目立った動きは無かった印象です。ビットコインの日足チャートに関しては、どんどんとボラティリティが小さくなっている状態で、取引しづらい状態が依然として続いています。

ただ、ボラティリティが小さくなっているということは、その後大きな値動きがあることの予兆といっても過言ではありません。いわゆる「三角持ち合い」の状態です。

しかし、現在のビットコインチャートの三角持ち合いは、チャートを見るだけでは今後どちらの方向に値が動くかわからない、「均衡型三角持ち合い」となっています。すなわち、図1のように、上値の切り下がりと底値の切り上がりが両方同時に起こっている状態です。これがもし、上値は並行だが底値は切りあがっている「上昇型三角持ち合い」だった場合は、多くのトレーダーが買い目線で取引をするので、私もそちらの方向性に舵を切れるのですが、現状はそうはいきません。

先日、コインポストの記事を読んだところ、現在の低いボラティリティを維持している期間は、2017年末以降、過去3番目に長いのだそうです。

参考リンク:「『ビットコイン相場に異変』バブル崩壊以降3番目の低ボラティリティ期間で市場困惑」(Cointpost 2020年7月17日付き)

こちらのチャートを見るとわかると思いますが、1回目の期間があった直後は大きく下落し、2回目の期間があった直後は大きく上昇しています。このように、現在の低ボラティリティ期間は、嵐の前の静けさなのでしょう。

記事によると、過去に最も長い(狭いレンジ内のもみ合い)期間は、(1)2018年10月16日~11月13日の29日間で、それ続くのが(2)2019年3月6日~4月1日までの27日間で、これらの期間は、歴史的な急変動のタイミングの前に確認されており、具体的には、(1)の期間後に、マイナーの撤退を伴う負のスパイラル(BCHハッシュ戦争)が急落の引き金となった約50%の暴落。一方、(2)の期間後には、高値まで約240%の暴騰のきっかけとなったとのことです。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
本当にどうなってるんだと言いたくなる値動きです。2019年は1月末から3月半ばの値動きも小さく、2016年末から続けていた仮想通貨の取引を始めて停止した時でもありました。
この状況に関して、今後のビジネス的にどうするのか、サイト運営者や取引所へ話を聞いてみました。サイト運営者は、撤退も視野にとのことでしたが、意外だったのは取引所関係者の「ここまで動かないと、この後に大きな値動きが発生するでしょう」という前向きなコメント。結果的に、週明けにようやく動意してきました。多くの仮想通貨トレーダーが待ち望んだボラティリティが戻ってきて、これからアツい夏になることを期待したいですね!

前週からの損益   プラス・マイナスゼロ
7月17日現在         1万787円