「家計が苦しいのにプライドが高くて、パートなんかしたくないという妻にどうしたら働いてもらえるでしょうか?」

こんな40歳男性の投稿が多くの女性の同情と怒りを誘っている。

男性の妻は、元有名企業の総合職。

小学校の子供が2人おり、上の子の中学受験で塾代などにお金がかかるのに、妻は、

「有名な会社の正社員じゃないと働かない」

という気持ちが強いらしいのだ。

「何様のつもり。そんな奥さん、離婚しちゃなさい!」

という声まで起こっているが、その一方で、

「私も同じだった。奥さんの悩みがよくわかる」

という共感の声もある。専門家に聞いた。

12年もブランクがある主婦をどこが正社員で雇う?

話題になっているのは女性向けサイト「発言小町」(2021年2月27日付)に載った「万年係長」というタイトルの男性からの投稿だ。

「40歳の男性、高学年と低学年の小学生の子供がいます。妻に働いてほしいです。妻は有名企業で総合職として働いていましたが1人目の妊娠時につわりがひどく退職。3歳過ぎてから再就職と言っていましたが2人目妊娠で先延ばし。学童保育が可哀想だから、中学受験をサポートしたいからと退職後12年、まったく働いていません」

中学受験の塾代などもあり、家計が厳しいので短期のパートでもしてほしいと言っても、「パートなんかしたくない」というプライドがあるらしく、「有名企業の正社員」という条件でしか働かないつもりのようだという。

「5年しか働かず、12年もブランクがある専業主婦を正社員で雇う企業はないと思うし、そこまで働いていない人はパートでも厳しいのではないかと周りからは言われます。
どうしたら働いてもらえるでしょうか」

と、悩みを打ち明けるのだった。

この投稿に対して、最も多かったのが「プライドが高い」妻への猛反発だ。現実を知らせるべきだという意見が殺到した。

「有名企業の正社員の仕事を探してもらえばいいのですよ。現実を知ってもらいましょう。有名企業の正社員に奇跡的になれたとして、その無駄なプライドでは、年下の先輩と働くなんて無理だと思いますけどね。
子供さんにも正直に家計が厳しいことを伝え、このままでは中学受験で合格しても学費が払えないと言いましょう」
「奥さんに家計管理を任せる。奥様が出費を実感できれば、このままではいけない、と危機感を持てば働かなくては! となると思います。中学―大学私立×2+受験対策+自分らの老後でいくらかかるか徹底的に話し合おう。そして、ダブルインカムでなければ中学受験は無理だね、とニッコリ言い渡せばよい。頑張れ!」
私も有名企業を夫の育児協力を得られず退職した

過激?だが、「離婚すべきだ」という意見も少なからずあった。

「うちの母も、周りの専業主婦をしている人たちも、口をそろえて言うのが『今さら働きたくない』というもの。
そりゃそうですよね。ラクを覚えてしまったのだから。人間関係の煩わしさもない、通勤する面倒もない、好きな時に昼寝できる、近所でパートするなんて惨めでやっていられない。そう思ったら働く気なんか絶対起こりません。奥様が働く時はたったひとつ。離婚された時だけ」

男性からも、こんな現実直視の意見が。

「男性です。奥さんはこのまま働かずに逃げ切ろうとしています。専業主婦10年から正社員ってハードル高いです。うちにも面接で専業主婦の方が来られた事があり、過去の経歴はなかなかのものでしたが、10年ブランク有りで希望年収は現職時より上を提示されました。その希望年収もうちの求人金額の1.5倍だったのでもちろん断りました。長いブランクは基本的にマイナス評価です」

一方、「私もそうです」と妻に共感を寄せる意見も少なくない。

「私はアラフィフでずっと正社員ですが、子育てのために専業主婦になられた奥さんは家庭人として素晴らしいと思います。奥さんにどうしたら就労してもらえるかですが、派遣会社に登録されてはいかがでしょうか。特別なスキルがあればそれを活かせますし、パートより時給も高いです。登録だけでもぜひ」
「あなたの知らないところで奥さんも考えているのでは。私も10年前は奥さんと似た状況。有名企業の総合職でしたが、夫が育児にまったく協力しないので退職。子を保育園に預けて再就職活動開始。しかし、求職中の身では保育園の正規入所ができず、懸命に就活するも働き先が見つからず、専業を続けています。最近はジョブリターン制度を採用している会社もよくありますし、奥さんは前勤務先から声がかかるのを待っているのかも。今は中学受験を後悔なくサポートする時期で、自分のことは二の次と考えているのかなと思います」
「私も大手で10年勤めて色々事情あり出産で退職。結局下の子が中学受験を終わるまではサポートもあり、15年以上パート一つせず専業主婦です。私はパートでオッケーだけど、夫と子供たちの要望である『子供が学校に行っている時間しか働かない』という条件に合う仕事が見つからなかったのです」

(福田和郎)