新型コロナウイルスのワクチン接種が先行している米国で、景気回復への明るさが見えてきた。堅調な経済指標を意識したドル選好が弱まりそうになく、ドル円の動きは底堅い。

米国株も上昇している。

一方、国内では感染の第4波の様相。東京都や大阪府などに「まん延防止等重点措置」が発出されて飲食店は営業時間の短縮が余儀なくされるなど、人々の自粛生活が続くことに。日経平均株価も米国株の上昇に追い付いていけない状況になっている。「3万円」を目前に足踏みしているが、強い買い材料が見込めないこともある。

どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

東京株式市場 3万円目前で足踏み
日経平均株価予想レンジ:2万9200円~3万500円

2021年4月9日(金)終値 2万9768円06銭

今週の東京株式市場の日経平均株価は、上値の重い展開か。

前週の日経平均株価は、小反落した。一時3万円台に乗せる局面もあったが、上値は重く、3万円台を維持することができなかった。

今週の日経平均株価は、上値の重い展開が続きそうだ。米国株式は経済指標の改善により、景気回復に対する期待感が高まっていることに加え、新型コロナウイルスのワクチン接種が順調に進んでいることを材料に上昇を続けている。

半面、日本で再び新型コロナウイルスの感染拡大が進んでおり、米国株の上昇に追い付いていけない状況になっている。日経平均株価は歴史上の高値圏にある現在、これ以上に上値を追っていける強い買い材料がないことから、しばらくは上値の重い展開が続きそうだ。

東京外国為替市場 1ドル=110円台の攻防!
ドル・円予想レンジ:1ドル=108円50銭~111円00銭

2021年4月9日(金)終値 109円65銭

今週の外国為替市場でドル円相場は、もみ合いか。

前週のドル円相場は、ドルが弱含みで推移した。週初は1ドル=110円台半ばまで上昇したが、その後はドルが値を下げる展開が続き、一時1ドル=109円付近まで値を下げた。米国の早期利上げ観測が後退したことで、ドル買いの動きが止まった。

今週のドル円相場は、ドルが1ドル=110円を挟んだもみ合いとなりそうだ。米国の早期利上げ観測は後退していることで、積極的にドルを買う材料は薄れているが、経済指標の改善が続いており、米国景気の回復に対する期待感は強く、ドル買いした支えとなっている。

このため、ドル円相場は米国の経済指標の結果に左右される可能性が強く、注意が必要だ。

経済指標は、国内では12日に3月の工作機械受注、14日に2月の機械受注、15日に日本銀行の支店長会議などが予定されている。

海外では、12日に米国の3月財政収支、13日に中国の3月貿易収支、米国の3月の消費者物価指数、14日に米国のベージュブック(地区連銀経済報告)、15日には米国の3月の小売売上高と鉱工業生産、設備稼働率。16日に中国の1~3月期GDP(国内総生産)と、3月の鉱工業生産と小売売上高、米国の3月の住宅着工件数、日米首脳会談などが予定されている。

(鷲尾香一)