新型コロナウイルスの3度目の緊急事態宣言の期限が延長され、また、まん延防止等重点措置を含み一部の地域に拡大した。変異ウイルスの影響もあり、大阪府や東京都などでは感染者数がなかなか減らない。

そうしたなか、上場企業の2021年1~3月期決算の発表がピークを迎える。週初から200社近い企業の決算発表があり、週末には900社超もの決算が予定されている。決算発表後に銘柄の物色が強まってくるため、日経平均株価の方向感は定まりにくい。

一方、ドル円相場は米国のワクチン接種の拡大を背景に、景気回復への期待が広がっており、ドル買い・円売りは継続しそう。さて、どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

東京株式市場 2万9000円台に回復
日経平均株価予想レンジ:2万9000円~2万9600円

2021年5月7日(金)終値 2万9357円82銭

今週の東京株式市場の日経平均株価は、上値の重い展開となりそうだ。

前週の日経平均株価は、2万9000円台を回復した。

ゴールデンウィーク明けの2営業日の取引だったが、米国株式の上昇を好感した。ただ、2万9000円台半ばからは上値の重い展開となった。

国内での新型コロナウイルスのワクチン接種が進まないことが嫌気材料となっている。

今週の日経平均株価は、上値の重い展開となりそうだ。企業の3月決算の発表がピークを迎えることから、個別株中心の動きが予想される。週末14日には約1000社が決算発表を行う予定だ。

米国株上昇の背景には、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいることで、米国経済に回復の兆しが強く現れていることがある。だが、国内でのワクチン接種は遅々として進んでいないことから、日経平均株価の上値が重くなっている。また、銅相場など国際的に商品市況が上昇しており、関連銘柄への影響には注意が必要だ。

東京外国為替市場 ドル、米経済指標に揺れる
ドル・円予想レンジ:1ドル=107円50銭~110円00銭

2021年5月7日(金)終値 108円60銭

今週の外国為替市場でドル円相場は、底堅い動きとなりそうだ。

前週のドル円相場は一時、米国での新型コロナウイルスのワクチン接種の進捗を背景に1ドル=109円半ばまでドルが買われたものの、週末に発表された米国の4月の雇用統計が市場予想を下回ったことで、1ドル=108円半ばまでドルは値を下げた。

今週のドル円相場は、底堅い動きとなりそうだ。

4月の米雇用統計が市場予想を下回ったことを受け、米国での金融緩和の長期化観測がドル売り・円買い材料となっているが、新型コロナウイルスのワクチン接種の進捗を背景に、米国の経済指標には改善するもの増えている。

米国の景気回復基調が鮮明になればドルの買い材料となり、ドルは底堅い動きとなりそうだ。今後の米国の経済指標に注目。

経済指標は、国内では11日に3月の家計調査、12日に3月の景気動向指数、13日に4月の景気ウォッチャー調査、14日に5月のオプション特別清算指数(SQ)算出などが予定されている。

海外では、11日に中国の4月の消費者物価指数、12日に米国の4月消費者物価指数、14日に米国の4月の小売売上高と鉱工業生産、設備稼働率などが予定されている。

(鷲尾香一)