マクラーレン・オートモーティブは、2021年4月13日に「東京ポートシティ竹芝」で、量産型ハイブリッドスーパーカー「アルトゥーラ」を、メディア向けに日本初披露した。

イベントでは正本嘉宏代表による「アルトゥーラ」のプレゼンテーションほか、ニュースキャスターの安藤優子さんがMCを務め、正本代表と、プロ陸上・走り幅跳びのパラアスリートである山本篤選手らによるトークセッションが行われた。

電気のみ、CO2排出量ゼロで30キロ走行

正本代表によると「アルトゥーラ」は、「3つのポリシー」で構成されている。(1) Purity(純粋性)、(2)Technical sculpture(技術的造形)、(3) Functional beauty(機能美)、だ。シンプルで美しく、かつ「意味のある」デザインが随所に凝らされている。

例えば、サイドボディに走る特徴的なライン。これは、フロントのホイールアーチ内で発生する乱気流を効果的に排除し、ボディ後方に誘導する役割がある。

車内のインテリアへのこだわりも徹底。

正本代表は「戦闘機のコックピットをモチーフにしている」と言い、安心かつ快適に、運転に集中し続けられる環境を作り出したと話す。

最も注目すべきは「電動化」だ。環境変化が急速に進む自動車産業において、電気自動車(EV)の新時代を切り開く存在になることを目指したという。「電気のみ、CO2排出量ゼロ、ノイズレス」で30キロ走行可能で、ほとんどの市街地移動をカバーできるのが魅力だ。価格は2965万円から。

山本選手「スーパーカーのイメージ覆った」

トークセッションでは、安藤さんから「アルトゥーラ」の印象について問われた山本選手が、「カッコイイですよね!」と表情を輝かせた。

これまではスーパーカーについて「視界が狭くて、日常で乗るのには向かなさそう」と思っていたが、アルトゥーラの運転席に座ってみて

「入口が広くて乗り込みやすく、座ると包み込まれるような感じ。視界も広くて、手を伸ばした先に全てのボタンがある。スーパーカーすごい!」

イメージが覆ったという。

この「ドライバーファースト」な乗り心地の裏側には、マクラーレンがF1レースで培ってきた気づきがあるようだ。正本代表曰く、単に車の性能が高いだけではF1でよい走りをするのは難しい。よい車によい乗り手がつき、さらに「乗り手が車のパフォーマンスを最大限に引き出すことが重要だから」だ。

そこでアルトゥーラは、「ドライバーに負担を強いる要素」を廃し、長時間でも運転に集中できるよう仕上げたという。

山本選手は、自身が競技で用いる義足を例に取り、「義足は形を変えて進化し続けている。でもそれを動かし、力を引き出すのは自分の体。義足に負けない体を作る努力が必要だ」とコメント。安藤さんは正本代表、山本選手の話を受け、「道具と人、双方の進化があって究極のパフォーマンスが生まれるということですね」と頷いていた。<J-CASTトレンド>