フジテレビなどを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングス(HD)は8日、2012年9月末から14年3月末まで、放送法の外資規制に違反していたと発表した。金光修社長は東京都内の本社で記者会見を開き、規制に違反していたことを14年12月に所管官庁の総務省に口頭で報告し、担当者から口頭で厳重注意を受けたことを明らかにした。
金光社長は会見の冒頭、「株主、投資家はじめ多くの方々に心配をお掛けし、おわびする」と謝罪した。
金光社長は常務だった14年12月初旬に2度、総務省を訪問。同省担当者に対し、過去に違反があったことと既に違反状態でなくなっていることを報告した。担当者からは二度と違反しないよう注意された一方、放送持ち株会社としての認定取り消しには至らないとの感触を得たという。
今後は、総務省がフジHDの法令違反を口頭厳重注意処分で済ませた当時の対応が適切だったのか責任を問われることになりそうだ。
同社は12年4月に番組制作会社を完全子会社化した際、同制作会社の出資先の会社が持つフジHD株を除外して議決権比率を算出すべきだったところ、誤って議決権総数に算入した。フジHDは14年11月ごろに問題を把握。正確に計算すると、外資比率が20%を一時0.00042〜0.00083%超過していた。
同社は放送法で定める放送持ち株会社の認定を受けており、複数の放送局を傘下に置く。同法は外資の議決権比率が20%以上となった場合、認定を取り消さなければならないと規定している。ただフジHDは、誤りが「軽微」で、14年9月末時点では外資比率が20%未満で総務省から認定取り消しに至らないとの感触を得たため、当時は公表する必要がないと判断したという。
総務省幹部は8日夜、フジHDの発表を受けて取材に応じ、当時の担当者が報告を受けたことを認めた上で、「当時、違法状態は解消されており、認定取り消しは必要ないと判断した。その考えは今も同じだ」と述べ、認定を取り消さない考えを示した。
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