11月5日、皇居内で宮内庁楽部による秋季雅楽演奏会が開催された。出席されたのは、初のご鑑賞となった愛子さま、そして最近ハードスケジュールをこなされている従姉・佳子さまだった。
「楽部の演奏会は、毎年春と秋に実施されてきましたが、コロナ禍で中止されていました。また、愛子さまと佳子さまお二人だけでのご活動は初めてです」(宮内庁関係者)
愛子さまは清楚な白、佳子さまは鮮やかな紅色のお召し物で会場に入られ、着席後は、ほほ笑み合いながらお話しに。
そして伝統的な衣装をまとった楽師が奏でる笛や和琴などの優雅な調べが会場に鳴り響くと、愛子さまは真剣なご表情で演奏や舞をご覧になっていた。大学で日本文学を専攻されている愛子さまは、この演奏会への出席を熱望されていたという。
「雅楽は世界最古の音楽の一つとされています。愛子さまは、平安期の文学や朝廷文化について研究を深められるうえで、皇室に伝わる雅楽の演奏や演技を体験しておくべきと判断されたようです。
雅楽の演奏会は、即位記念などの節目には天皇皇后両陛下が出席されますが、それ以外は皇族がお二組出席することが通例となっています。日程的に佳子さまもご都合がよかったため、従姉妹同士初めてのお出ましが実現したのです」(前出・宮内庁関係者)
皇室の次世代を担う愛子さまと佳子さまの新コンビ誕生ーー。ある皇室担当記者は、「かねて従姉妹同士というより、まるで姉妹のようだと言われていました」と、お二人の仲のよさについてこう振り返る。
「以前お住まいだった東宮御所を2008年に改修していたとき、天皇ご一家は秋篠宮邸とお庭を挟んでお隣に住まわれていました。愛子さまにとって佳子さまは、年の近いお姉さんといった雰囲気で、よくお話をされていたと聞いています。
控えめな眞子さんと比べて、佳子さまは当時からフィギュアスケートやダンスをされるなどご活発でしたから、愛子さまも憧れていらしたのでしょう。
また、中学生になられた愛子さまが、佳子さまの“編み込みヘア”をまねされていたこともありましたね」
■皇室の結束示す新たなシンボルに
愛子さまの佳子さまへの私淑は、10年来続いていたようだ。2012年には、秋篠宮さまのお誕生日に際しての記者会見で、紀子さまはこんなエピソードを披露されている。
「年齢が上がられますにつれて、敬宮さまは、佳子とお話をされていることが多くなっているように思います。恐らく二人とも十代であり、そのような女の子同士のお話を楽しんでいるのではないかと思います」
お二人のご交流の一方で、天皇ご一家と秋篠宮ご一家の間に流れる“すき間風”が報じられることもあったーー。
「2012年から2019年まで、天皇陛下と上皇陛下、秋篠宮さまが月に1回のペースで、御所に集まる“頂上会談”が行われていました。
しかし御代替わり以降は開かれなくなり、その後に続くコロナ禍のため、天皇陛下と秋篠宮さまがコミュニケーションをとられる場が減ってしまわれたのです。さらに、天皇ご一家と秋篠宮ご一家の行事日程が重なることが増えており、このところ侍従職と皇嗣職の連携不足も指摘されていました」(前出・宮内庁関係者)
秋篠宮ご一家に対しては、眞子さんの結婚に伴う騒動や、悠仁さまの高校進学を巡って、国民からは厳しい声が上がった。一方で、天皇陛下と雅子さまも、コロナ禍のために国民と交流される機会がなくなってしまったことを悩まれていた。そんな状況で、愛子さまと佳子さまが令和になって初めての雅楽演奏会に臨まれることになったのだーー。
「お二人が手を取り合ってお出ましになることは、ご両家融和のシンボルとも言えます。
雅子さまも、愛子さまが今回のご公務に積極的に関わられていることを、とてもお喜びになっていると聞いております。
また、“史上最も優秀な内親王”とも言われる愛子さまと、笑みを常に絶やさずに存在感を増し続けている佳子さまが行動をともにされることは、令和の皇室への注目を高めることにつながります。愛子さまも今回の初鑑賞にあたって、そうした意味を理解されていることでしょう」(皇室ジャーナリスト)
名古屋大学大学院准教授の河西秀哉さんは、愛子さまと佳子さまが演奏会へ出席された意義についてこう語る。
「天皇家と秋篠宮家が一体となり皇室の結束を示すという点で、お二人が演奏会へ参加されたことは非常に素晴らしいことであると思います。そして、秋篠宮家が一丸となって天皇家を支えるという意味でも、評価されるべきイベントだったのではないでしょうか」
次世代を担う愛子さまと佳子さまは手を携えて、皇室の未来を切り開いていくーー。