大鵬の孫・デビュー! 娘が伝える父の相撲道「優しさが人を強くする」

大鵬の孫・デビュー! 娘が伝える父の相撲道「優しさが人を強くする」



昨年12月19日、さいたま市にある相撲の名門校・埼玉栄高等学校の会場。納谷幸之介さん(17)の入門記者会見には100人を超える報道陣が詰めかけていた。身長190センチ。体重160キロ。圧倒されそうな巨体ながら、その表情はどこか優しくあどけない。



祖父は、あの流行語「巨人・大鵬・卵焼き」の一角を占めた昭和の国民的スター、故・大鵬(享年72)である。父は、元関脇の貴闘力忠茂さん。男ばかり4人兄弟の三男である幸之介さんの、大嶽部屋(前身は大鵬部屋)入門が決まったのである。



幸之介さんは、初場所の前相撲(新入門の力士などによる初土俵の場所の番付を決める取組)からスタートする。大相撲デビューは春場所だが、しかし、なんといっても“大鵬の孫”の注目度は高い。気の早いファンやマスコミからは「白鵬を倒して世代交代を」との声も上がり、この記者会見も、ワイドショーはこぞって大きく伝えた。



日馬富士による暴行事件を発端に、揺れに揺れている現在の相撲界。横綱審議委員会は事件現場にいた白鵬の「横綱の品格」について言及した。



現在の力士と比較してか、「大鵬は、横綱というより王者でした」と話すのは、子ども時代の幸之介さんを指導した相撲クラブ「江東青龍館」監督の森富士夫さん(65)だ。



「どんな力士が相手でも悠然と仕切り線に向かい、相手のよさも引き出し、最後には勝つという横綱相撲でした。連勝記録がかかった取組で、勝ったはずが負けとされても、決して軍配や相手を責めない。それどころか『こんな相撲を取った自分が悪い』と自分を責めた。倒れこんだままの力士には、必ず手を差し伸べる優しさもあった。まさに横綱の『気品と風格』を兼ね備えていました」(森さん)

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