あなたは夫や彼氏に対して「もしかしたら浮気をしているかも?」と胸がざわつくような兆候を感じたことはありますか。
今回はある意外なきっかけで夫の浮気が発覚してしまった女性のエピソードをご紹介しましょう。
「恭子は子供の頃から妙に勘が鋭いというか第六感が優れているようで、小学生のころ一緒に下校している最中に『今日はこの道通りたくないから、あっちの道からから行こう』と急に手をひっぱられて遠回りしたら、いつものその道で交通事故が起きたりと、不思議なことが何度もありました」
テスト前に「この辺りが出る気がする」と恭子さんが予想した範囲を一緒に勉強し、それが見事に的中して良い点数が取ることができ未華さんはとても助かっていたそう。
「ですが恭子とは大学が別々で、私が引っ越して一人暮らしを始めてからあまり会えなくなり、年に数回しか連絡を取り合わない時期もあったのですが…お互いに社会人になり落ち着いた頃からまた定期的に会うようになったんですよ」
「お互いに恋に仕事にリアルな問題でいっぱいいっぱいでそんな話題にもならなかったんですよね」
そんな未華さんが結婚して出産してからも、月に1回程度のペースで恭子さんが遊びに来るのが恒例になっていたある日…。
「なぜかその日は肩がすごくこっていて、そのコリからの頭痛が辛くてしきりに肩を動かしていたら、恭子に『そのブレスレットどうしたの?』の聞かれたんですよ」
未華さんが「フリマアプリで買って昨日届いたの。かわいいでしょ?」と答えると「マイナスなこと言って申し訳ないんだけど、多分そのブレスレットが原因で未華の体調が悪い気がする」と言われてハッとしました。
そういえば確かにブレスレットをつけてから急激に右肩が重くなったなと思った未華さんが、ブレスレットをはずすと1時間もしないうちにすっかり肩こりも頭痛も治ったそう。
「恭子は何となくそう感じるだけで、霊能者みたいに原因が分かったりする訳ではないのですが…子供の頃をふと思い出してやっぱりすごいなと思ってしまいましたね」
そして恭子さん自身もその不思議な力を発揮したのは久しぶりでした。
「大人になるにつれてそんなことを言っていると胡散臭(うさんくさ)く思われたり、嘘つきの不思議ちゃん扱いされてしまった痛い過去があるそうで…それから自分の中にその力を押し込めて、なるべく勘が働かないよう過ごすようになり、そしたらいつの間にか本当にあまり感じなくなっていったそうなんです」
そんなことがあった翌月、また恭子さんが遊びにきたそう。
「今度は部屋に入るなり真っ直ぐにブルーナボンボン(バランスボールのような素材でできた、ミッフィーの形をしたバルーン遊具。子供が乗って遊べる)の元に行き『ごめん、これはかなり嫌な感じがする…』と恭子が涙目になってしまい、あ、これはただ事じゃないなと思いましたね」
その遊具は未華さんの夫の純一さん(仮名・35歳/メーカー勤務)が知人からもらってきたものでした。
「恭子がその不思議な力のせいで、相手が不安になるようなことを言ってしまうのが嫌だと悩んでいた話を先日聞いたばかりだったのですが『正直に感じたことを全部教えて』とお願いしたんですよ」
すると「前回のブレスレットと違って、この遊具にはピンポイント(=夫・純一さん)に向けた強い複雑な感情のようなものが詰まっているように感じる」と恭子さんは教えてくれたそう。
「それを聞いた時に、そういえば先日ふと夜中に目を覚ましたら隣に寝ているはずの純一が居なくて、スマホもなくなっていたので、あわてて探したらトイレにこもっていたことがあり、ちょっと怪しいなと感じたことを思い出したんです」
「私は『会社の同僚がくれた』としか聞いていなかったのですが、純一にそんなピンポイントな複雑な感情を向ける相手なんて、女性なんじゃないの?と思えてしかたがなかったんですよ」
そして帰宅した純一さんに「この遊具をくれたのって女性だよね?どうもあなたはその女性からかなり恨まれていて、これに生霊(いきりょう)がついているみたいなんだけど心当たりある?」とちょっと誇張して伝えてみると…。
「明らかに純一の顔から血の気が引いて、今まで見たことのない不安そうな表情に一瞬なった後すぐに『いや分からないし、生霊なんてあるはずないだろう』と言い訳しだしたので、もう我慢できずに『正直に全部話すかスマホを見せて。じゃないと離婚する』と怒鳴ったら、純一は頭を抱えて黙ってしまいました」
実は純一さん、取引先の女性と不倫関係になった末に別れ話を切り出したらこじれてしまい、その女性から『もう消えてなくなりたい』など自殺を匂わせるようなメッセージがくるようになってしまったそう。
「そしてやっと別れられることになり最後に『これお子さんにどうぞ』とわたされたのがこの遊具だったそうなんです。きっと嫌味のつもりだったんでしょうね」
「不倫していたことにも腹が立ちましたが、それよりよくそんなドロドロの愛憎のこもった遊具で我が子を遊ばせられるなと呆れてしまいました。もちろんすぐ捨てましたよ」
そんな純一さんにはしばらくお小遣い減額のペナルティが課され、大好きな競馬も当分やらないと未華さんと約束したそう。
「今回は許しましたが、次またやったらもう無理かもしれませんね」
そして恭子さんに結果を報告すると「私のせいで、なんかごめんね」と落ち込んでしまい、気の毒なほどでした。
「私が『ううん、むしろありがとうだよ!あの遊具がずっとこの部屋にあり続けて、うちの子が無邪気に遊んでいたかと思うとゾッとするし捨てることができてよかったから』と言うと、やっと安心してくれました。
なんだか勘が働き過ぎるっていうのも…気苦労が多くて大変そうだなと思ってしまいました」と苦笑いする未華さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
今回はある意外なきっかけで夫の浮気が発覚してしまった女性のエピソードをご紹介しましょう。
不思議な力がある友人
植村未華さん(仮名・33歳/主婦)は幼なじみである恭子さん(仮名・32歳/エステティシャン)と25年来の付き合いになります。「恭子は子供の頃から妙に勘が鋭いというか第六感が優れているようで、小学生のころ一緒に下校している最中に『今日はこの道通りたくないから、あっちの道からから行こう』と急に手をひっぱられて遠回りしたら、いつものその道で交通事故が起きたりと、不思議なことが何度もありました」
テスト前に「この辺りが出る気がする」と恭子さんが予想した範囲を一緒に勉強し、それが見事に的中して良い点数が取ることができ未華さんはとても助かっていたそう。
「ですが恭子とは大学が別々で、私が引っ越して一人暮らしを始めてからあまり会えなくなり、年に数回しか連絡を取り合わない時期もあったのですが…お互いに社会人になり落ち着いた頃からまた定期的に会うようになったんですよ」
ブレスレットが変
そんな風に月日が経つうちに、いつのまにかその不思議な力のことはすっかり忘れていました。「お互いに恋に仕事にリアルな問題でいっぱいいっぱいでそんな話題にもならなかったんですよね」
そんな未華さんが結婚して出産してからも、月に1回程度のペースで恭子さんが遊びに来るのが恒例になっていたある日…。
「なぜかその日は肩がすごくこっていて、そのコリからの頭痛が辛くてしきりに肩を動かしていたら、恭子に『そのブレスレットどうしたの?』の聞かれたんですよ」
不思議な力
そういえば確かにブレスレットをつけてから急激に右肩が重くなったなと思った未華さんが、ブレスレットをはずすと1時間もしないうちにすっかり肩こりも頭痛も治ったそう。
「恭子は何となくそう感じるだけで、霊能者みたいに原因が分かったりする訳ではないのですが…子供の頃をふと思い出してやっぱりすごいなと思ってしまいましたね」
そして恭子さん自身もその不思議な力を発揮したのは久しぶりでした。
「大人になるにつれてそんなことを言っていると胡散臭(うさんくさ)く思われたり、嘘つきの不思議ちゃん扱いされてしまった痛い過去があるそうで…それから自分の中にその力を押し込めて、なるべく勘が働かないよう過ごすようになり、そしたらいつの間にか本当にあまり感じなくなっていったそうなんです」
家にある遊具を見て突然涙目に…
子供部屋
「今度は部屋に入るなり真っ直ぐにブルーナボンボン(バランスボールのような素材でできた、ミッフィーの形をしたバルーン遊具。子供が乗って遊べる)の元に行き『ごめん、これはかなり嫌な感じがする…』と恭子が涙目になってしまい、あ、これはただ事じゃないなと思いましたね」
その遊具は未華さんの夫の純一さん(仮名・35歳/メーカー勤務)が知人からもらってきたものでした。
「恭子がその不思議な力のせいで、相手が不安になるようなことを言ってしまうのが嫌だと悩んでいた話を先日聞いたばかりだったのですが『正直に感じたことを全部教えて』とお願いしたんですよ」
すると「前回のブレスレットと違って、この遊具にはピンポイント(=夫・純一さん)に向けた強い複雑な感情のようなものが詰まっているように感じる」と恭子さんは教えてくれたそう。
「それを聞いた時に、そういえば先日ふと夜中に目を覚ましたら隣に寝ているはずの純一が居なくて、スマホもなくなっていたので、あわてて探したらトイレにこもっていたことがあり、ちょっと怪しいなと感じたことを思い出したんです」
夫に聞くと血の気が引き、とんでもない事実が…
そして未華さんは、この遊具をくれた人物を特定しなくてはと決意しました。「私は『会社の同僚がくれた』としか聞いていなかったのですが、純一にそんなピンポイントな複雑な感情を向ける相手なんて、女性なんじゃないの?と思えてしかたがなかったんですよ」
そして帰宅した純一さんに「この遊具をくれたのって女性だよね?どうもあなたはその女性からかなり恨まれていて、これに生霊(いきりょう)がついているみたいなんだけど心当たりある?」とちょっと誇張して伝えてみると…。
「明らかに純一の顔から血の気が引いて、今まで見たことのない不安そうな表情に一瞬なった後すぐに『いや分からないし、生霊なんてあるはずないだろう』と言い訳しだしたので、もう我慢できずに『正直に全部話すかスマホを見せて。じゃないと離婚する』と怒鳴ったら、純一は頭を抱えて黙ってしまいました」
実は純一さん、取引先の女性と不倫関係になった末に別れ話を切り出したらこじれてしまい、その女性から『もう消えてなくなりたい』など自殺を匂わせるようなメッセージがくるようになってしまったそう。
「そしてやっと別れられることになり最後に『これお子さんにどうぞ』とわたされたのがこの遊具だったそうなんです。きっと嫌味のつもりだったんでしょうね」
友人の不思議な力に感謝
純一さんはその遊具を捨てるのが心苦しくて、つい嘘をついて自宅に持ち帰ってしまいました。「不倫していたことにも腹が立ちましたが、それよりよくそんなドロドロの愛憎のこもった遊具で我が子を遊ばせられるなと呆れてしまいました。もちろんすぐ捨てましたよ」
そんな純一さんにはしばらくお小遣い減額のペナルティが課され、大好きな競馬も当分やらないと未華さんと約束したそう。
「今回は許しましたが、次またやったらもう無理かもしれませんね」
そして恭子さんに結果を報告すると「私のせいで、なんかごめんね」と落ち込んでしまい、気の毒なほどでした。
「私が『ううん、むしろありがとうだよ!あの遊具がずっとこの部屋にあり続けて、うちの子が無邪気に遊んでいたかと思うとゾッとするし捨てることができてよかったから』と言うと、やっと安心してくれました。
なんだか勘が働き過ぎるっていうのも…気苦労が多くて大変そうだなと思ってしまいました」と苦笑いする未華さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
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