元宝塚歌劇団宙組トップスターの凰稀かなめさんが、人気シリーズ第2弾の映画『お終活 再春!人生ラプソディ』に出演しています。

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 演じる丸山英恵は、高畑淳子さん演じる主人公・大原千賀子にシャンソンを指導し、再びの青春=“再春”のお手伝いをする音楽ライブプロデューサー役です。


 人生100年時代、人生を謳歌するための新しい“お終活”を提唱し、“再春”がテーマの本作では、これからも続いていく自分の人生を楽しく豊かに過ごそうと奮闘する主人公の姿が描かれます。

 凰稀かなめさん自身も、本作から受け取ったものが少なくないと言います。作品のこと、そして芸能活動25周年を前に現在の心境を聞きました。

主人公にシャンソンを教える役柄

元宝塚トップ女優、“終活”への想いを告白「ひとり身なので色々考えちゃいますが…」
©2024「お終活 再春!」製作委員会
――丸山英恵というキャラクターを演じてみてどうでしたか?

凰稀かなめ(以下、凰稀):英恵さんは、高畑さん演じる千賀子さんの“再春”のお手伝いをする女性です。もともと千賀子さんは彼女の母親にシャンソンを習っていたのですが、結婚後辞めていたんです。改めて人生で新しいことをやろうと思ったときに、そのことを思い出して英恵の母親に会いに来るのですが、母親は亡くなっていまして。

そこで教室を引き継いだ英恵が、千賀子さんにシャンソンを教えます。
自分のコンサートにも千賀子さんを誘い、一緒に人生を楽しんで行きましょうというお手伝いをします。

――シャンソンなど、ご自身に近い役柄でしたか?

凰稀:そうですね。ただ、長塚京三さん演じる英恵の父親との関係性(幼少期に生き別れた後に再会を果たす)は経験がないことでしたが、ただ、長塚さんとは「初めまして」だったので、そのまま長くお話をせずに撮影を始められたことで、久しぶりの父娘再会の表現の助けになったところはあったかも知れません。高畑さんとは短い期間で一気に共演させていただいたのですが、わたしにアドバイスもしてくださったので、助けていただきました。とても貴重な時間になりました。

“再春”は「今できることをやってみよう」の視点で

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凰稀かなめ
――終活と聞くと寂しい感じもしますが、現状を整理しておくと気持ちも前向きになるとよく言いますよね。それに、再春というテーマはとても素敵だなと思いました。


凰稀:そうなんです。歳を取るとどうしてもできないことが出てくるので、できることをやってみようと、違う視点で物事を見ていけたらもっと人生が楽しくなると思うんです。

「あの頃はできていたのに今はできない」という考え方ではなく、「今できるほかのことをやってみよう」とポジティブな方向に持っていってあげるといいと、介護の本にも書いてあって。同時に、そういう周囲のサポートも要るのかなと思うんです。

――今回の映画のように観て楽しかった、感動したで終わってもいいのですが、人生のヒントになるのもよいですね。

凰稀:そうですね。
老いのことは、若いうちにやっておくことが大切だと本で読んだこともあります。早め早めに動くというか、自分もいつかそうなるから、やっておかないといけないことがありますよね。わたしはひとり身なので、どうしようかなといろいろ考えちゃいますが、この映画はわたしにもすごくいいきっかけになったと思います。

調べるといろいろと情報が出てくるので、それを実践してやっていけるんですよね。きっとこれからどんどん事情も変わってくると思うので、介護などの知識を入れておくだけでも全然違うなとは改めて思いました。完ぺきでなくても、ちょっと知っておくだけでも全然違いますよね。


一番伝えたいのは「人生を楽しむこと」

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「お終活 再春!」
――改めて、映画をご覧になる方にはどのようなことを感じてほしいでしょうか?

凰稀:ポスターにもありますが、笑って泣けて役に立つ、本当にこのままなんですよね。老いは現実的に訪れることでもあるので、やっぱり向き合っていかないといけないけれども、何よりも一番伝えたいことは人生を楽しむことだと思うんです。なので、映画を観るみなさんが、そういうふうになれるきっかけになったらいいなと思います。それにこれを観たら親に連絡したくなると思うので、ぜひとも連絡してあげてください(笑)。

――ところで来年で芸能活動25周年という節目の年になりますね。

凰稀:25年も続けることはすごいことです(笑)。まさかここまで続くとは思っていなかったので。
宝塚を卒業したらお芝居はもうやらないと思っていたのですが、今の事務所の社長と出会って「もったいない」と。これだけ芝居が好きで、できるのであればもったいないと止めてくださって。事務所も作ってくださったんです。今はなんかとかできているので、本当に感謝しています。

――どうして一度辞めようと思ったのですか?

凰稀:疲れすぎちゃって(苦笑)。とりあえず休みたかったんです。
でも、今休んらだダメだと。宝塚のような生活が一生続くと思っていたのですが、いつでも寝られる、今までとは生活が違うからと説得されまして。辞めてすぐの頃は環境の変化で一日だけ知恵熱が出ましたが、それ以降はずっと元気です。

――今のモチベーションは何ですか?

凰稀:今はファンの方が喜んでもらえるから頑張れています。自分のお芝居を見て、喜んでくれる人がいる。舞台はそれがダイレクトに伝わってくるじゃないですか。毎日、それはすごく思うんです。拍手の大きさで、やっていてよかったなと思います。

最近は「ようやくランチというものに行き始めた」

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凰稀かなめ
――節目を機に、新しく始めたいことはありますか?

凰稀:今までやっていないことを始めていこうということで、去年からゴルフを始めました。あとは、わたしは家から出ることが好きじゃなかったのですが、なるべく出ることを心がけています。人に会おうと。だから去年、ようやくランチというものを後輩と行き始めたり(笑)。

もともとランチとか、稽古中などにみんなでいかない人間だったんですよ。打ち上げなどは参加しましたがが、みんなとご飯に行くようなタイプではなくて。それを行くようになりました。

――その心変わりには何か理由があるのですか?

凰稀:最近すごく思うのは、人間いつ会えるか分からないから、会えるうちに会っておこうと。もちろん昔からそう思ってはいましたが、また今度でいいだろうということが多かった。でもそういうことをしていたら、会えなくなったときに後悔するなと思い、考え方が少しずつ変わってきたんです。

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凰稀かなめ
――今回の映画の影響もあるのでしょうか?

凰稀:そう思う時期だったのかもしれないですけどね。でも、やってみたら楽しかったです(笑)。外で楽しくお話をしたり、近況報告をしたり。

――近い将来、なりたい理想の自分は何ですか?

凰稀:一度くらいは結婚したいかな(笑)。それはともかく、仕事に関しては舞台と映像を同じくらいにできたらいいなと思います。今は比率的に舞台のほうが多いので、半々くらいでバランスよくできたらいいなと思います。そのためには自分が頑張らないといけないと思うので、穏やかに過ごしたいなと思っています。

<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>

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「お終活 再春!」


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【トキタタカシ】
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。