
◆18歳で家出。都会に染まった10代
大阪の郊外にある実家で暮らす山本里英さん(仮名・35歳)は女手ひとつで娘を育ててきたシングルマザー。現在は生まれ育った地元で暮らしている里英さんですが、そこに至るまでさまざまな葛藤があったといいます。
「駅ビルさえないような本当に何もない街で、10代の頃はそんな地元が大っ嫌いだったんです。当時の私はいわゆるギャルで、しょっちゅう大阪のミナミなど都会に遊びに行って、ほとんど家に帰っていませんでした。そのうち、交際していた男の家に転がり込んで親とはケンカばかり。勘当同然で家を飛びだして以来、連絡も取っていませんでした」
当時、18歳で家出した里英さんは都会のキラキラした生活に憧れていたといいます。
「地元から1時間程度なのに、大阪はまるで違う世界だったんですよね。やがてキャバクラで働くようになり、キャバクラに来るお金持ちのお客さんや、ホストクラブに行ったりすぐに都会に染まっていきました。しばらくは適当に働きながら、夜遊びを繰り返す生活。ブランド物もたくさん買って、バーやホストクラブで毎晩のように飲み歩いていましたね。そんな生活が続いて数年経ったころ、キャバクラで前夫と出会い、妊娠を機に結婚することになったんです。夫は早くに両親を亡くしていたので、結婚式は挙げないことに決め、私も親に結婚の報告すらしませんでしたね」