日本統治時代の台湾客家建築「張家商楼」、昔の姿を再現
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写真提供:屏東県政府
(屏東 11日 中央社)台湾南部の屏東県にある日本統治時代の建築、「張家商楼」がかつての美しい姿を取り戻した。3年間にわたる官民挙げての努力が実ったもので屏東県政府は12日、この建物の落成式を行う。

「張家商楼」は1910(明治43)年、屏東県・佳冬郷の冬根路に建てられた。この一帯は台湾が清朝の統治下にあった時代から貿易で栄えていた地域。建物は商業スペース・住居・倉庫の機能を兼ね備え、当時は水産物やサトウキビ、雑貨などを取り扱っていたという。

この建物は長年地域の中心的な存在だったが、老朽化が激しく、2009年夏の台風水害ではついに屋根が抜け落ちてしまった。すぐ隣に住む詩人で医師の曽貴海さんが見かねて2011年、修復計画の発起人に自ら名乗りを挙げ、作戦開始。まずは所有権問題をクリア、計画主体の団体・茄冬文史協会のものとなった。

「張家商楼」は地元で“佳冬で最も美しい曲がり角”との異名を持つ。屏東県政府客家事務処では建物が文化財認定を受けていないとしながらも、政府・客家委員会に対し調査費用の助成を申請。建物の構造や伝統の工法を詳しく調べたあと、2012年に修繕再利用計画を提出した。その後、工事は順調に進み、曽さんの計画発起から3年を経てようやく昔の美しい姿を取り戻した。

屏東県政府ではあす午前、「張家商楼」の落成式を行い、かつて農作業の時に食されていたという客家伝統の「稲刈り飯」、“割禾仔飯(ゴッヴォーエファン)”が感謝を込めて参加者300人にふるまわれることになっている。

(郭シセン/編集:谷口一康)