
式典ではライトアップの点灯式が行われ、呉伯雄・中国国民党名誉主席、カク龍斌・台北市長、范植谷交通部次長、頼瑟珍・台湾観光協会会長、陳国祥・中央通訊社董事長などが出席した。(カク=赤におおざと)
旧台湾神宮の跡地に1952年開業し、かつては国の迎賓館としての役割を担っていた台北円山大飯店は、その14階建ての赤い中国式建築が台北のランドマークのひとつとなっている。中国大陸からの観光客が増加した近年ではリニューアルなどに努めており、昨年11月から6億台湾元(約20億円)をかけて歴史ある2つのホールと487部屋の大規模改装工事を段階的に進めてきた。
工事に当たってはホテルのシンボルカラーの赤も特別調合され、国宝級の絵師、許男児氏率いる専門チームが梁や装飾部、手すりや円柱に伝統の絵を描き入れ、長年風雨にさらされ色あせていた麒麟庁、金龍庁は達人の手を経てその全盛期の姿がよみがえった。
これまで故宮博物院や中正紀念堂の戯劇院と音楽庁、忠烈祠などの建築の彩色を手がけてきた許氏によると、円山大飯店は荘厳な中国北部の建築様式で龍や鳳などのめでたい図案が特色。絵の修復ではまず梁や柱の汚れを取り除いてから土の補填や絵の複製を行い、濃い色から淡い色へと彩色した。その範囲は1万2000平方メートルに及ぶという。
(蔡和穎/編集:谷口一康)