ツウィさんは韓国のテレビ番組などで中華民国(台湾)の国旗を掲げたことで、一部から「台湾独立支持派」などと誹謗中傷が殺到。韓国語の公式ウェブサイトでも「国籍」が台湾と表記されていたため、問題視されていた。
▽ツウィさん、声を詰まらせ「わたしは中国人」
公開された動画は約1分半。憔悴しきった様子のツウィさんは冒頭、頭を下げ「申し訳ありませんでした」と謝罪。
また、「言動に過失があり、会社と両岸のネットユーザーの感情を傷つけた」と再び謝罪の言葉を述べ、今後については中国大陸での一切の活動を中止し、反省するとした。
▽大陸委員会は中国大陸に苦言
大陸委員会は、国民が国旗を持ち、国への愛やアイデンティティーを示すのは当然の行為とする見解を表明。ツウィさんをはじめとする国民の愛国的な行為を支持し、中国大陸に尊重を求めるとした。また、「台湾人民の感情を深く傷つけた」と強調。
外交部も同日、中華民国は独立した主権国家であり、国旗は主権の象徴だとするコメントを発表。馬英九総統の指示を受け、駐韓代表処(大使館に相当)を通じてJYPに対し政府と人民の揺るぎない立場を伝えたとした。
▽総統立候補ら「ツウィさんを支持する」
与党・国民党の朱立倫主席は「深い悲しみを覚える」と胸中を吐露。最初にツウィさんを非難したとされる台湾生まれで中国大陸を中心に活動する芸能人、ホアン・アン(黄安)氏とJYPに対して「責任を追及する」と語った。
また、民進党の蔡英文主席は人民の団結を呼びかけ、「国際社会に対して台湾人の一致したナショナル・アイデンティティーを表明するべきだ」と述べたほか、親民党の宋楚瑜主席も、政府は中国大陸に対して台湾の立場を示すべきだとした。
▽中国大陸側は「政治勢力による挑発行為」
一方、中国大陸の対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室は「台湾の一部政治勢力が民間交流の1騒動を取り上げて両岸の感情を挑発している」とコメント。大陸と台湾の国民党政権が対話の基礎とする「92年コンセンサス(九二共識)」を堅持する立場を改めて表明した。
(テキ思嘉、黄旭昇、王鴻国、唐佩君、陳家倫/編集:齊藤啓介)