宜蘭県との県境に近い花蓮県和平にあるセメント工業区に広がるはげ山は、衛星写真からでもはっきりと見てとれる。風光明媚な東部に突如現れた工事車両が大きな砂ぼこりを上げて走り回る光景は、まさに異様だ。
そもそもはげ山が広がる原因となったのは、西部で採掘されていた石灰石が枯渇しだしたから。国の働きかけもあり、セメント業者が次々と東部に移転した事情がある。
同様の光景は観光名所、タロコ渓谷にも近い同県立霧渓の河口にも広がる。
経済部(経済省)では公園内25ヘクタールの部分について、採掘権が2017年11月に切れるとして、それまでに植林などによる自然景観の回復を求めている。だが、そのほかの土地については、採掘を制限する法律などがなく、はげ山は今後も拡大を続けそうな様相を呈しており、環境保護に向けた対応が急がれている。
(編集:齊藤啓介)