台湾は中国との政治的な対立により、1950年代以降、国際的スポーツ大会に参加した際、名称を「中華民国」から「フォルモサ」や「TAIWAN 中華民国」などへの変更を余儀なくされたほか、国際オリンピック委員会(IOC)と協定を交わす1981年までの10年間はオリンピックやアジア大会に参加できずにいた。協定には「チャイニーズタイペイ」の名義と旗、エンブレムを使うことで、各国オリンピック委員会と同等の権利を得られることが明記されている。
同委は当該国民投票は政治的行為だとした上で、IOCの規定に違反するばかりでなく、台湾によるスポーツ界への政治的干渉と見なされたり、同委が資格停止になったりする可能性に言及。その場合、選手は国を代表して出場できず、たとえ、オリンピックの独立参加選手団として出場できてもコーチの帯同を含む国のバックアップを受けられないと指摘。台湾選手の出場資格を守るため、国民投票による同委の名称問題介入に断固反対するとした。
同委はこれまで台湾選手による東京五輪への出場権を守る姿勢を示してきたが、同国民投票に対する立場を表明したのは今回が初めて。
(龍柏安/編集:荘麗玲)