(台北 18日 中央社)頼清徳前行政院長(前首相)は18日午前、2020年に行われる総統選の民進党公認候補を選ぶ予備選への立候補届け出手続きを台北市の党本部で行った。蔡英文総統もすでに出馬を表明しており、党内からは、頼氏の出馬は予想外だとする声が上がった。


民進党は同日、予備選立候補届け出受け付けを開始。22日に締め切る。来月4~9日に政見発表会を開いた後、同10~12日に世論調査を実施し、同17日に党公認候補を公表する。

頼氏は取材に対し、勇気を持って責任を負うことを決めたと表明。蔡総統と公認候補の座を争うことについては、民主的な手続きを通じて党はさらに団結できるようになると述べ、厳しい戦いになるとみられる総統選に対する支持者らの憂慮に対応するために立候補したと語った。

同党の複数の立法委員(国会議員)は頼氏の立候補について、事前には知らされていなかったとし、予想外だったと口を揃えた。
同時に一部立法委員は党に対し、透明性のある審査を呼び掛けた。頼氏が所属する派閥「新潮流派」の立法委員は、党内が切磋琢磨し、刺激しあってこそ進歩は生まれると好意的な見方を示した。

頼氏は1959年、北部・新北市生まれの59歳。医師出身で、政界転身後は立法委員(国会議員)、台南市長などを歴任した。2017年9月に蔡政権下で行政院長に就任したが、昨年11月の統一地方選で党が大敗した責任を取り、今年1月に内閣総辞職した。

(温貴香、顧セン、陳俊華、王揚宇、蘇龍麒、葉素萍/編集:名切千絵)