(台北 20日 中央社)モバイル決済が進む台湾。だが、自動販売機ではこのような時代の潮流には乗っておらず、加えて機体の老朽化やメンテナンス不備などでお金を入れても商品が出てこなかったりする。
この悩みを解決しようと、自販機業界歴10年以上のベテランである黄建堯さんが仲間と自販機のQRコード決済に対応可能なモジュールを開発し日米の飲料大手から注目を集めている。

このモジュールはモデム、アンテナおよび自販機に貼り付けるQRコードからできている。これを取り付けることで従来の機種でもたやすくモバイル決済を導入できるという。同モジュールを通した全ての消費記録は業者側に送られるため、利用者の購買習慣や商品の売上状況を把握できるほか、タイムリーな商品補充や調整が可能になる。

自販機業者から好評を得るだろうとの思いで、今年1月に米ラスベガスで行われた消費者向け電子製品の展示会「CES2019」に出展したところ、サントリーやペプシコーラなど国際的に知られる飲料ブランドから打診を受けた。予想外の展開に驚きながらも、台湾のベンチャー企業の実力は侮れないものだと黄さんは胸を張る。


黄さんらが開発した同技術は現在すでに、ベンチャー企業に資金援助を行うエンゼル投資家の協力を得ており、フィリピンやシンガポールへの市場参入も果たしている。

(呉柏緯/編集:荘麗玲)