2014年、当時野党だった民進党と手を組み、台北市長に当選。だが市長就任後、「両岸は一つの家族」などと発言し、中国と歩み寄りの姿勢を示した柯氏。民進党は柯氏と決別し、柯氏は8月、台湾独立でも対中融和でもない、新たな選択肢を提示したいとして新党「台湾民衆党」の結党大会を開いた。来年1月の総統・立法委員(国会議員)選に向けた動向が注目されている。
この日のインタビューでは、総統選に民進党から出馬予定の蔡氏について親米過ぎ、対中融和路線の国民党の候補、韓国瑜・高雄市長は親中過ぎだとの考えを示し、台湾は中国と米国の間でバランスを取るべきだと話した。
「反中国共産党だとしても反中である必要はなく、反中であっても中国を非難する必要はない」とも発言。中国が掲げる「一国二制度」に反対でも言明は不要で、心の中で理解していれば良いとし、蔡氏が強い言葉で中国を批判するのは票集めのためだとの考えを示した。自身は反中国共産党かとの問いには、「彼らに統治されるのに反対なだけだ」と答えた。
また、蔡政権は中国との間で意思疎通を図れるルートが構築できていないと指摘。民進党幹部が中国をほとんど訪れていないことなどを挙げ、一種の危機だとの見解を示した。
両岸(台湾と中国)関係を維持するには、互いに思いやるべきだとも言及。中国は現在、香港の問題にとらわれており、台湾に構う余力はまだないとし、香港の反政府デモが一段落したときこそ、台湾が問題に立ち向かうタイミングだと述べた。
(梁珮綺、陳怡セン/編集:楊千慧)