(屏東中央社)南部・屏東県の離島、小琉球の海で絶滅危惧種のアオウミガメに触ったとして、17歳のドイツ人少年が野生動物保護法違反の疑いで海巡署(海上保安庁に相当)によって送検された。同署署長室は11日、フェイスブックに「ウミガメに触った代価は30万台湾元(約106万円)かも」とするコメントを投稿し、同じ過ちを犯さないよう観光客らに注意喚起した。


同署南部分署によると、10日午後2時ごろ、周辺海域でシュノーケリングをしていた少年がウミガメにいたずらをしているとみられる写真を、同署第五岸巡隊小琉球安検所がインターネットを通じて発見した。写真は近くにいた他人が撮影し、SNSに投稿したものだったという。少年はすぐに見つかり、事情聴取したところ、家族との旅行中で、ウミガメとの接触が台湾の法律に触れるという自覚はなかったとみられる。

少年が触ったのは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されているアオウミガメ。野生動物へのいたずらや虐待などを禁じる野生動物保護法18条では、違反者に1年以下の懲役や禁錮・6万元(約21万円)以上30万元以下の罰金を科すことができる。死亡させた場合にはさらに罰則が重くなる。


海巡署署長室のフェイスブックでは、このような違法行為は今回が初めてではなく、注意を促してもなかなか減らないと指摘。小琉球は世界で最もウミガメの密度が高い島の一つとされるが、島の周辺に生息しているのは160匹前後で、子ガメが無事に育つ確率は1000分の1だと説明し、決してウミガメの生活を乱さないよう呼び掛けている。

(劉建邦/編集:塚越西穂)