馬前総統、教科書の「台湾主権未定論」に異議 担当機関「理解促進のため」

馬前総統、教科書の「台湾主権未定論」に異議  担当機関「理解促進のため」
24日の記者会見で公開された馬前総統のビデオメッセージ
(台北中央社)馬英九前総統は24日、今年度の高校歴史科目の学習指導要領に反対する学者らでつくる団体が台北市内で開いた記者会見にビデオメッセージを寄せ、歴史教材に「台湾主権未定論」が盛り込まれていることに異議を唱えた。教科書の検定を担当する国家教育研究院は中央社の取材に対し、異なる見解や主張を併記することで、現在の台湾の国際的地位に関する歴史的背景への理解を促すのが狙いだと説明した。

今年度の高校歴史の指導要領では、歴史上の出来事を年代別にまとめる従来の方式を変更し、台湾、東アジア、世界といった地域別の枠組みが採用された。「中国史」が独立したテーマではなく、「東アジア」の枠組みにまとめられたことから、「脱中国化」だと批判が出ている。

馬氏は約7分間のビデオメッセージで、台湾島と澎湖の中華民国への返還などを対日戦の目的として記した「カイロ宣言」やカイロ宣言の履行を規定した「ポツダム宣言」に関して「正式な条約ではない」とする見解があることに触れ、これは誤りだと指摘。

続けて、ポツダム宣言の受諾が明記された日本の降伏文書や、日本と中華民国政府が1952年に締結し、台湾と澎湖の人民が中華民国籍を有することを承認した「日華平和条約」、同条約の各条項が中華民国政府支配下の全ての領土に適用されることを日本が認めた「交換公文第一号」などを根拠として挙げ、戦後の国際社会が台湾と澎湖を中華民国の領土だと承認していたことに異論の余地はないとした。その上で、「蔡(英文)総統が主権未定国家の総統とでも言うのでしょうか」と皮肉った。

国家教育研究院の担当者は、今年度の指導要領は多様な情報を提示するよう教員に促し、生徒が歴史的事実と根拠に基づいて討論できるよう指導するのを目的としていると説明した。

(陳至中/編集:名切千絵)

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