日本統治時代の官舎、地元の歴史伝える文化施設に/台湾・桃園

日本統治時代の官舎、地元の歴史伝える文化施設に/台湾・桃園
文化施設に生まれ変わった日本統治時代の警察宿舎=桃園市政府提供
(桃園中央社)北部・桃園市中レキに残る日本統治時代の官舎が、修復を経て文化施設に生まれ変わり、15日にオープンした。開館記念展として、台湾の民主化運動に大きな影響を与えたとされる地元の歴史事件が紹介されている。(レキ=土へんに歴)

同市政府文化局や文化部(文化省)の資料によると、同施設の前身は1941年に建設された3棟の木造家屋で、中レキ郡役所に置かれた警察課に勤務する職員と家族が入居していた。戦後、郡役所が中レキ警察分局となったのを受け、引き続き警察宿舎として使われ続けた。2012年に市の歴史的建築物に登録され、再活用を目指す文化局が昨年、5300万台湾元(約1億9000万円)を投じて修復に着手。竣工後、一般市民から愛称を公募し、人気投票を経て「レキ景町」と命名された。

中レキ事件は、1977年の県長選で、当時の与党・国民党による無効票水増しが発覚し、怒った市民が分局を包囲して警察と衝突した事件。戒厳令下だった当時の台湾で一般市民が自発的に抗議活動を行ったのは初めてで、その後の民主化運動につながったとされる。

開館イベントに出席した鄭文燦市長は、同事件は台湾の民主化の歴史における重要なターニングポイントだったと指摘。同館を参観した全ての人々に地元の歩みや市民精神を感じ取ってほしいと期待を示した。また、周辺には同館のほかにも、1901年築とされる小学校の教員宿舎を前身とする「レキ小故事森林」、1930年築の民家を改装した「中平路故事館」があると紹介。これらの施設を通して同地の歴史をさまざまな側面からひもといてほしいと呼び掛けた。

文化局は、運営を民間業者に委託し、アートスペースや文化広場などとして幅広く活用していきたいとしている。

(邱俊欽/編集:塚越西穂)

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