(台北中央社)台湾の総統選は来年1月11日の投開票まで12日であと30日となった。再選を目指す民進党の蔡英文総統、政権奪還を狙う最大野党・国民党の韓国瑜氏、そこに割って入る親民党の宋楚瑜氏の3陣営は、独自の戦略で票集めに追い込みをかける。


▽蔡陣営、投票意欲向上に重心

他候補をリードしているとの見方を示す蔡陣営。民進党の羅致政立法委員(国会議員)は、勝負の鍵は投票率だと分析する。蔡氏の支持者は性別、年齢、居住地を問わず広く分布しているため、与野党の固定支持者の投票が結果を左右すると指摘する。そのため、今後は支持者の投票意欲の向上に力を入れていくとしている。

▽韓陣営、南部での勝敗が鍵に

対する韓陣営は、国民党の支持基盤である雲林以北、東部・花蓮、台東、離島ではややリードしていると分析する。韓氏は高雄市長だが、休暇を取得して総統選に専念していることに批判が噴出しており、南部では出遅れている。
同陣営は、南部の高雄、屏東、台南で互角、もしくは敗北してもわずかな差であれば、韓氏が勝利するとみている。

▽宋陣営、第三極の力を結集 鴻海創業者・郭台銘氏の協力得られるか

親民党組織部の張碩文主任は、第三極の力を結集すると同時に、民進党・国民党の両党に不満を持つ有権者の票の取り込みを主軸に戦っていく方針を示す。各県市での戦略については、鴻海(ホンハイ)精密工業の創業者、郭台銘氏陣営と手を組むことを重点に置き、郭氏の支持者も集めた後援会を立ち上げることで、票の上積みを図る。

だが、郭氏は同日実施の立法委員選では親民党に協力しているものの、総統選で宋氏を応援するかは表明していない。郭氏の側近で、親民党の比例代表で立法委員選に出馬している蔡沁瑜氏は、最終的には郭氏の決定次第だと明らかにした。

(温貴香、余祥、劉冠廷/編集:名切千絵)