(台北中央社)食品大手の昭和産業(東京都千代田区)は17日、台湾を拠点に食品・飼料などの事業を展開する大成集団(台南市)と合弁事業開始に関して契約を結んだ。製粉・飼料事業に参入し、大成集団との共同出資で台湾最大規模の鶏卵工場を建設する。
生食が可能な品質の卵の生産を目指し、台湾のハイエンド市場に攻め入る。

調印式が同日、台北市内で行われ、昭和産業の新妻一彦社長と大成集団の韓家宇董事長(会長)がそれぞれ署名した。

昭和産業は大成集団傘下の製粉企業、国成麺粉と鶏卵製造販売の中一食品がそれぞれ実施する第三者割当増資で、新たに発行される株式を計約26億円で引き受ける。増資の実施は来春を予定。増資後の昭和産業の出資比率は国成麺粉40パーセント、中一食品35パーセントとなる。昭和産業と大成集団は2017年から業務提携し、事業領域の拡大を目指して協業について検討していた。


製粉事業では、小麦粉の生産性向上や品質改善に関する技術提供を行い、高繊維、低GI小麦粉や高品質の業務用製品を共同で開発する。鶏卵事業では、製造における衛生面、品質管理面での向上を図る。鶏卵工場は、中部・彰化県に建設し、来年初頭の着工、2021年初頭の完成を予定している。

大成集団の鶏卵部門の担当者は、生卵を好む日本人は、卵への要求が世界でも屈指の厳しさだとし、日本の衛生管理システムを導入していくことで今後は台湾でも卵の生食が可能になると自信を示した。

(韓テイテイ/編集:名切千絵)