(台北中央社)来月11日投開票の総統選で、与野党の副総統候補3氏による政見発表会が20日夜、台北市内で行われた。

与党民進党の頼清徳前行政院長(首相)は、中国が台湾にかける外交的・軍事的圧力に触れた上で、蔡英文総統は「(中国の)圧力に屈しない」「(中国が台湾への適用をもくろむ)『一国二制度』を受け入れない」と述べて中国への強硬姿勢を表明した。


最大野党国民党の対中姿勢については、「平和協議(取り決め)をもって問題の解決を図ろうとするが、成功しないどころか主権を無くし民主を損なう羽目になる」との見解を示した。

国民党の韓国瑜高雄市長と組む張善政元行政院長は、「われわれは『一国二制度』の受け入れを拒否する」「国民党も台湾を守る」と反論。一方、蔡政権のエネルギー政策については「(脱原発に向け、石炭火力発電に依存することで台湾は)肺がんの罹患(りかん)率がアジアで北朝鮮に次いで2番目に高い国となってしまった」と批判した。

野党親民党の宋楚瑜主席(党首)から副総統候補に指名された、広告業界出身の余湘氏は、「二大政党(民進党と国民党)は必ず親民党の存在を無視する。われわれの声は怒る市民のメッセージを正確に伝えているからだ」「2020年は中華民国(台湾)の多党制元年であってほしい」として支持を訴えた。

副総統候補の政見発表は20日の1回のみ。
25と27の両日には、総統候補による2回目と3回目の政見発表会が実施される予定。

(侯姿瑩、游凱翔/編集:羅友辰)