(台北中央社)台湾の漫画家、故鄭問(チェン・ウェン)さんの心の内や作品の世界観に迫るドキュメンタリー映画「千年一問」の完成や上映を目指し、インターネットで小口資金を調達するクラウドファンディングプロジェクトが26日、始まった。500万台湾元(約1790万円)を第1段階の目標とする。
プロジェクト運営者は、順調に進めば今秋にも上映したいとしている。

チェンさんは1990年、春秋戦国時代の英雄たちを描く「東周英雄伝」で日本デビュー。外国人として初めて日本漫画家協会賞の優秀賞を受賞した経歴を持つ。2017年に心筋梗塞のため、58歳で亡くなった。2018年には台北市の国立故宮博物院で「千年一問 鄭問故宮大展」と題した展覧会が開かれ、ドキュメンタリーの製作はこれと同時に準備が始まっていた。

メガホンを取るのは、映画監督のワン・ワンロウ(王婉柔)さん。
制作チームは2年をかけて台湾、香港、中国、日本の漫画・出版業界関係者50人以上を取材した。

プロジェクトを運営するバッカーファウンダー(貝殻放大)によれば、全ての撮影と編集はすでに完了しているという。

31日午後5時現在、約189万元(約677万円)の資金が集まっている。ポストプロダクション(仕上げ作業)には500万元、上映には150万元(約537万円)が必要だとしている。さらに150万元集まれば、海外で配給するための資金に充てる。

(陳政偉/編集:名切千絵)