(台南中央社)南部・台南市は22日、市内に残されていた日本統治時代の蒸気機関車2両の修繕が完了したと発表した。黄偉哲市長は、新型コロナウイルスが猛威を振るう中、古い機関車の復活という新たな歴史の1ページに立ち会えたのは非常に喜ばしいことだと語った。
2両は市内の体育公園で一般公開されている。

修繕されたのは、旧台湾総督府鉄道「C551」と「D512」で、それぞれ1935(昭和10)年、1940(同15)年に投入された。戦後は台湾鉄路管理局に引き渡され、引き続き旅客・貨物輸送の主力を担った。引退後の1983年に台南市政府に寄贈され体育公園に置かれていたが、雨風から車体を守る囲いが取り付けられていたのみで、解説板なども設置されていなかった。市は2両を2015年、有形文化財(古物)に登録。2018年には日本統治時代のプラットホームを模した台の設置など周辺環境が整備され、昨年には2両の修繕計画が始動した。


C551は戦後、「CT251」に改称されたが、車体には「CT259」の号車札が掛けられており、今回の修繕では専門家の判断を経て「CT251」の号車札が改めて設置された。修繕作業の過程でD512の車体には弾痕が複数発見された。第2次世界大戦末期、米軍の空襲によってできたものとみられるという。

展示されている2両の周囲には柵などは設けられていない。黄市長は近距離で撮影したり、触ったりできると来訪を呼び掛けた。

(楊思瑞/編集:楊千慧)