(東京中央社)台北駐日経済文化代表処の謝長廷(しゃちょうてい)代表(大使に相当)は1日、先月28日に辞任を表明した安倍晋三首相に替わって自民党総裁の座を狙う菅義偉官房長官と岸田文雄政調会長、石破茂・元幹事長について、3氏とも台湾をとても重視しており、誰が首相になっても台日間の友好にマイナスの影響はないとの認識を示した。

台湾メディアの駐日特派員との懇談会で言及した。
安倍氏の辞意表明はとても意外だったと述べた謝氏。安倍氏について、1972年に中華民国(台湾)と日本が断交して以来、台湾に最も友好的な首相だったとたたえ、双方の指導者は国交がなくてもツイッターやフェイスブックなどを通じて交流してきたと振り返った。

安倍氏の辞意表明を受け、今月14日に実施される自民党総裁選には、岸田氏と石破氏が立候補を表明しており、菅氏は2日午後に立候補を表明する見通し。謝氏は、3氏とも、7月末に他界した李登輝元総統を悼み、同処が8月初旬に設けた追悼場に足を運んでくれたと振り返った。現時点で優位と伝えられる菅氏については、安倍氏を長年補佐してきたこともあり、安倍氏の考え方に最も近いだろうとの考えを示した。

懇談会では、台湾が2011年から実施している福島など5県産食品への輸入停止措置を見直す可能性についての質問も出された。
18年11月に実施された国民投票で禁輸措置が支持され、2年間は変更できないが、政府は早ければ年末にも対応を迫られる。これについて謝氏は、国民投票の結果は尊重すべきだが、他国の例に見るように、科学的に問題ないことが実証されているのであれば、その結果に基づいて処理すべきで、政治的に判断すべきではないと述べた。

(楊明珠/編集:塚越西穂)