(パリ中央社)欧州議会の議員や専門家ら9人が14日、仏ルモンド紙に連名で寄稿し、欧州は一つの中国政策を見直し、(中国の)脅威にさらされる民主的な台湾への支持を強化すべきと訴えた。

寄稿したのは、欧州議会のナタリー・ロワゾー安全保障・防衛小委員会委員長、ラファエル・グリュックスマン人権小委員会副委員長、フランスの超党派シンクタンク、モンテーニュ研究所でアジア問題アドバイザーを務めるフランソワ・ゴデメン氏ら。


文中では両岸(台湾と中国)問題における欧州の立場について、これまで民族自決の原則と「一つの中国」、「一国二制度」のバランスを図ろうとしてきたとし、その「現状維持」のために台湾との自由貿易協定協議をはばかり、台湾の国際機関参加も積極的に支持してこなかったと指摘。

一方、中国については、香港に対する一国二制度の約束に背いた上に、台湾に対しても近年、武力による統一の可能性をほのめかしていると非難。このことは明らかに平和決議の道を外れており、個人の権利と国際法を無視しているとの見方を示し、もし欧州が一つの中国政策を維持すれば、台湾の人々を中国共産党の元に送り届けることになると警鐘を鳴らした。

その上で、欧州は何事もなかったようにこれを看過し、一つの中国政策を継続するわけにはいかないと強調。台湾の政治家との対話開始や台湾の国際機関参加支持、中国への依存を回避するためのサプライチェーン協力強化などを提言した。

(曽婷瑄/編集:塚越西穂)