(台北中央社)中国軍が台湾の南西の防空識別圏(ADIZ)への進入を繰り返していることについて、厳徳発(げんとくはつ)国防部長(国防相)は4日、立法院(国会)外交・国防委員会の答弁で、人民解放軍の連日の動きは、南シナ海にADIZを設定するための布石だとの見方を示した。

国防部(国防省)が公式サイトで公表している情報によれば、中国軍機は9月16日から今月3日までに33回にわたって台湾南西のADIZに入った。


厳氏は答弁で、1月からこれまでに延べ276機の中国軍機が台湾南西のADIZに進入したと説明。中国が南シナ海で軍事拠点化を進め、4月には南シナ海に新たな行政区を設置すると発表したことに触れ、これらの目的はADIZ設定のためだとの見解を述べた。

海軍の敖以智参謀長によれば、今年に入ってから3日までに、海軍が対応した中国軍の艦艇は延べ1223隻に上り、昨年に比べ400隻余り増加した。

(游凱翔/編集:名切千絵)